1年生の皆さんへ2016(日本文学分野)

◎はじめに  1年生のみなさん、こんにちは。日本文学専攻3年の若林、中畑です。今年も専攻決めの季節がやってきましたね。不安に感じている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、私たち日本文学専攻に関する、みなさんからの疑問・質問にお答えしたいと思います。これを読み終わる頃には、あなたもきっと日文に来たくなるはずです!! Q.それぞれのゼミの内容について教えてください。 A.日本文学専攻には2人の先生方がおられ、それぞれの先生のゼミがあります。 ○渡邉匡一ゼミ  このゼミでは、中世の仏教説話集を扱います。前期では、隔年で『今昔物語集』と『宇治拾遺物語』を扱います。今年は『宇治拾遺物語』を扱ったので、来年は『今昔物語集』を扱います。自分で考察したい1話を選び、古典文学全集や辞書、研究論文を参考にしつつ、自分で語釈をつけ、各自好きなテーマで考察します。今まで扱われたテーマは鬼・妖怪、天皇、歴史に名を残した著名な人物、和歌など様々で、興味があることならば何でも挑戦出来ます。このゼミでは先輩が指導につき、色んな資料を使って調べる方法や、発表の仕方などを優しく指導してくれ、研究の基礎が学べます。初めて古典に興味を持った人でも、楽しく発表が出来ます!  後期は、前期に学んだことの応用編になります。現在はインド、中国、日本に伝わる説話を集めた『三国伝記』という本を扱っています。担当した話を翻字し、語釈をつけ、訳して考察していきます。研究が進んでない文献を取り扱うことも多く、知らない言葉に自分の力で辞書などを駆使しながら語釈をつけたり、話をわかりやすく訳したりと発表までの準備は大変ですが、やりがいは大きいです。  匡一先生のゼミでは、自分で勉強すればするほど、面白くなっていきます。勉強は遊びです。物語や昔話が好きな人はぜひ来てみてください。   ○速水香織ゼミ  速水先生のゼミでは、主に近世に成立した浮世草子・俳諧をとりあげます。今年度前期は松尾芭蕉の紀行集で『おくのほそ道』を、後期は北村季吟の著作『女郎花物語』を扱いました。研究内容としては本文の翻字と確定・注釈・発句の解釈から問題点を見つけ出し、各自の視点からの考察を行います。近世文学は上代以来の重層的な厚みを持った古典の上に成り立っているため、作品を考えるにあたっては、先行する古典作品への理解と十分な知識とが不可欠になります。そのため、とりあげるテキストにとどまらず様々な時代、分野の作品に幅広く触れる必要があります。大変な作業ですが、ひとつの作品の文章にどれほど古典作品が影響しているか、調べるほどに面白くなってゆきます!  全集や文庫に載っている注釈は本当に妥当なのか、自らの手で検討していくうえで、多面的な解釈ができるようになり、読みが深まってゆきます。授業では生徒の積極的な発言や先生の丁寧な解説など充実した議論が多く、いつも有意義に楽しく進めています! Q.日文でやっている調査って、どういうことをやるんですか? A.主に蔵書調査を行います。日文でやる調査には以下のようなものがあります。 ・仏法寺調査  ほぼ毎月行っているもので、匡一先生を中心に、土日に諏訪へ行って仏法紹隆寺の蔵書調査をします。並行して、諏訪の善光寺の蔵書調査もしています。普段の生活ではなかなか出会うことのない古い本を実際に手にとることのできる貴重な機会です。土曜日の夜には、みんなで飲み会をします。先生の美味しい手料理がいただけますよ♪ ・御嶽神社調査  王滝村の御嶽神社で年3回ほど行います。日本史専攻の山本先生、匡一先生が中心となって行っています。祝詞をはじめとした、神社に保管されている資料の整理を日文では行っています。色んな資料に触れることができるますよ! ・旧制高校調査 この調査活動では主に、大正・昭和期に思誠寮で書かれた日誌の調査を行っています。思誠寮とは、信州大学の前身となった、旧制松本高校の学生が生活していた自治寮です。来年の3月~5月頃には、旧制高校記念館で、調査から明らかになったことをもとにした展示を行います。日誌を調査することで、当時のいわゆるエリートであった旧制松本高校生が、何を見、何を考え、何をしていたのかを垣間見ることができます。エリートというとお堅いイメージがあるかもしれませんが、そんな印象を変えるような、意外な一面や新しい発見がありますよ。  このような調査をみんなでワイワイ楽しんでやっています。 Q.日文の資料室はどこにあるんですか? A.日文資料室は、人文棟3階の一番奥にあります。日文の本拠地とも言えるこの場所で、学生たちは様々な資料を使って勉強したり、おしゃべりしながら息抜きをしたりします。専攻の件で相談があれば、気軽に足を運んでみてください。優しい先輩達が分からないことなど親切に教えてくれるはずです! Q.日文のイベントについて教えてください! A.とっっっても楽しいイベントが盛りだくさんです☆主な行事を順番に紹介していきます♪ ・新歓  4月には、日文に新しく入ってきた2年生のために、新入生歓迎会が開かれます。ここで2年生は、専攻の先輩達や先生方と交流を深め、日文の雰囲気をつかみます。先輩や先生と仲良くなれるとともに、勉強についてわからない事や不安などを解消できる良い機会です。 ・匡一先生、速水先生合同ゼミ旅行  今年の9月に匡一先生ゼミ、速水先生ゼミ合同で東京へ行ってきました。合宿前に訪れる場所を調べ、しおりを制作します。今年のゼミ合宿のテーマは江戸の悪所巡りで、江戸文学に登場する場所や歴史の中で重要な土地を訪れることで、勉強への興味をさらに広げることができました。夜の飲み会では日文の卒業生の方とも交流でき、充実した一泊二日になりました。  ちなみに、去年のゼミ合宿のテーマは京の悪所巡りで、京都を訪れました。前期の渡辺先生ゼミで扱う説話集に、人ならざるものが出る場所として描かれるような所などを巡りました。 ・追いコン  新歓に並ぶ日文最大の飲み会である追いコンは、2月にある卒論発表会の後に行われます。2,3年生からは、4年生へ寄書きが、4年生からは、先生方へ花束が贈られ、互いに別れを惜しみます。先生方のありがたいお話を聞きおさめつつ、二次会までひたすら飲み尽くします。  以上が主な日文イベントです。どれも楽しいものばかりですよ♪ Q.日本文学分野で取れる資格にはどんなものがあるんですか? A.日本文学分野では、教職、博物館学芸員などの資格を取ることが可能です。特に国語科の教員資格取得に必要な科目が、日文の選択科目に多く含まれるので、比較的国語科の資格が取りやすくなっています。その他に、教職科目、学芸員に関する科目がそれぞれに必要になってくるので、夏休みに集中講義やレポートが入り込んできます。頑張りましょう!! Q.卒論題目には今までにどのようなものがあったんですか? A.卒論のテーマは、日本語での表現に関するものであれば、古典文学から始まり、作家や作品、新聞やテレビなどのメディア、漫画やゲームまで、何を扱っても構いません。中学や高校の国語の授業で扱ったようなものだけが日本文学ではありません。自分自身が興味と問題意識を持って取り組めることが重要です。過去の卒論題目については、日本文学分野公式ホームページに掲載されています。 Q.卒業された先輩方はどのようなところに就職されているんですか? A.就職活動準備は、4年の春頃から大体みんな始めます。先輩方の就職先としては、デザイン会社・問屋・地方銀行員・販売員・公務員と多種多様に挙げられ、また大学院に進学するという進路を取られる先輩方もおられます。また、教職(国語)を取られ教師になられる先輩方もおられます。基本的に日文は就職に関しては自由であると同時に、個人の努力次第というところが強いでしょう。 ◎おわりに  いかがでしたでしょうか?私たちの専攻について少しは知ってもらえたと思います。このように楽しいイベントが盛りだくさんの日文ですが、ゼミはとても厳しく、大変です。発表前には、図書館や資料室にこもりきりになるということが多々あります。それゆえに、本当に日本文学が好きで、研究に興味がある人に来てもらいたいと思っています。  最後に少し厳しいことを書きましたが、勉強が大変な分、得られることも本当に多いと思います。たくさんの仲間たちと充実した大学生活が送れることを、私たちが保証します!!みなさん、ぜひ日本文学に来て、一緒に楽しい日文ライフを送りましょう♪質問があったら、気軽に資料室に来てください。

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