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アライグマが遊泳により北海道洞爺湖中島に侵入した事例を報告

研究

洞爺湖に浮かぶ中島
洞爺湖に浮かぶ中島
カメラトラップで撮影されたアライグマ
カメラトラップで撮影されたアライグマ

野生動物管理学研究室の池田敬助教らの研究チームが、アライグマが遊泳により北海道洞爺湖中島に侵入した事例を報告しました。

特定外来生物であるアライグマは、現在44都道府県に生息しており、農作物や生態系への影響だけではなく、人畜共通感染症の蔓延が懸念されています。そのため、被害が出ていない地域での被害発生を防ぐには、生活様式や行動範囲を正確に把握し、侵入初期段階における戦略立案が不可欠とされています。しかし、アライグマの分散距離や遊泳移動に関する情報が限られているのが現状でした。

そこで本研究チームは、北海道洞爺湖のほぼ中央、湖岸から約5km離れた位置に浮かび、これまでアライグマの生息が確認されていなかった洞爺湖中島でカメラトラップ調査を実施し、アライグマの初記録を報告しました。アライグマの遊泳移動に関する本報告は、島嶼地域における早期発見や迅速な対応などの対策に繋がり、低密度生息地域への分布拡大の予測や分布辺縁部での効果的な戦略の立案に役立つ情報として期待されます。

本研究成果は、2025年7月29日に日本哺乳類学会の発行する国際学術誌「Mammal Study」に掲載されました。詳細は以下をご覧ください。

タイトル:First report of the non-native raccoon (Procyon lotor) on Nakanoshima Islands in Lake Toya, Hokkaido, Japan
著者:Takashi Ikeda 1, Takaaki Suzuki 2, Hiromasa Igota 3, Yukiko Matsuura 4, Takuma J Watanabe 5
著者所属:1信州大学学術研究院(農学系),2岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター,3酪農学園大学環境共生学類,4国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所北海道支所,5一般社団法人エゾシカ協会

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