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大学院総合理工学研究科生命医工学専攻1年の佐々木優さんが糸状菌分子生物学コンファレンスにおいて学生優秀ポスター発表賞を受賞

研究

佐々木優さん
佐々木優さん
賞状
賞状

2024年11月3日~11月4日に、琉球大学で開催された第23回糸状菌分子生物学コンファレンスにおいて、微生物植物相互作用学研究室の佐々木優さん(修士1年)が口頭発表とポスター発表を行い、「学生優秀ポスター発表賞」を受賞しました(受賞日:11月4日)。
植物病原糸状菌である炭疽病菌(Colletotrichum属菌)の胞子は、植物上で水分を与えるだけで発芽し、発芽管の先端に付着器(感染器官)を形成して宿主植物に侵入するのが一般的です。一方で、胞子の発芽後に周囲の糖が付着器の形成を抑制し、発芽管様の菌糸の先端から宿主に直接侵入する方法も一部で知られています。本研究では、胞子の発芽に糖を必要とするユニークな特性をもち、菌糸先端侵入により成熟果実に特異的に感染する果樹炭疽病菌Colletotrichum fioriniae GCA6株について、糖制御型の形態分化に関わる複数の因子を同定しました。糖シグナルに関与すると推定される遺伝子の破壊株を網羅的に作出したところ、解糖系のリン酸化に関わるHXKの5つのホモログの1つと、Gタンパク質のαサブユニットをコードするGanBのホモログが糖誘導型胞子発芽を正に制御することを見出しました。さらに、グルコースのシグナル伝達に関与するRGS1とGPA1が付着器形成を正に制御することで、2種類の侵入様式(付着器侵入/菌糸先端侵入)の選択に関与する可能性を示唆しました。
今回の受賞は、周囲の糖環境を利用する巧みな感染戦略をもつ果樹炭疽病菌について、その感染特異的形態分化の制御因子を複数同定した点が評価されました。

受賞演題は以下のとおりです。

「果樹炭疽病菌Colletotrichum fioriniae GCA6における感染特異的形態分化を制御する因子の探索」
〇佐々木優 1,和泉尚登 2,坂本茉由 2,入枝泰樹 3
1信州大学大学院総合理工学研究科,2信州大学農学部,3信州大学学術研究院(農学系))

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