片山茂教授ら、酒粕由来乳酸菌に皮膚炎症を抑制する作用を発見しました

片山茂教授（学術研究院農学系／バイオメディカル研究所）らは、亀田製菓株式会社との共同研究のもと、酒粕由来乳酸菌Lacticaseibacillus paracasei　K71（旧分類：Lactobacillus paracasei　K71）死菌体の経口摂取による皮膚炎症抑制作用を見出しました。

近年、カロテノイドやポリフェノールなどの機能性成分が光老化（紫外線による皮膚老化）に対する抑制効果を有することが報告されており、皮膚老化予防は機能性食品開発の新たなターゲットとして高い関心を集めています。これまでに、酒粕から分離した乳酸菌Lacticaseibacillus paracasei K71摂取によるアトピー性皮膚炎の症状軽減作用がヒト試験で報告されてきました。今回の研究では、K71死菌体の摂取がUVB照射マウスの皮膚炎症を抑制し、その作用機序の一端として、K71由来RNAによるマクロファージのIL-10産生促進が関与することを明らかにしました。本研究の成果は皮膚炎症の抑制に寄与する機能性食品の開発に貢献していくものと期待されます。

【論文情報】
雑誌名：Molecular Nutrition & Food Research
論文タイトル：Lacticaseibacillus paracasei K71 alleviates UVB-induced skin barrier dysfunction by attenuating inflammation via increased IL-10 production in mice
著者：Shigeru Katayama^*, Rio Yamazaki, Hikaru Umise, Hsu Pei Han, Toshihiro Mihara, Kimiko Uchiyama, Hajime Takahashi, Soichiro Nakamura
DOI：10.1002/mnfr.202200212
URL：https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/mnfr.202200212
掲載日：2023年7月20日