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ブドウ果柄よりがん細胞の増殖と浸潤を抑制する新規化合物を特定 ~食品機能でがん予防の可能性~

研究

図1:腫瘍活性が確認されたブドウ果柄由来のポリフェノール(エピカテキンオリゴマー)の推定構造(エピガロカテキンとガレートの位置は未決定)
図1:腫瘍活性が確認されたブドウ果柄由来のポリフェノール(エピカテキンオリゴマー)の推定構造(エピガロカテキンとガレートの位置は未決定)

藤井博教授,真壁秀文教授,濱渦康範准教授(学術研究院(農学系),先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所,総合理工学研究科農学専攻)と株式会社サンクゼール(https://www.stcousair.co.jp/)の河原誠一取締役らの研究グループは,ブドウの果柄に含まれ,がんの転移促進遺伝子であるFABP5の発現とがん細胞の浸潤を顕著に抑制する新規化合物を特定しました。

ブドウの果柄はいわゆる食品残渣であり,廃棄物として扱われてきました。今後, これまで処分されていたブドウ梗の新たな活用法として,がんの予防法の開発に繋がる研究が期待されます。

本研究成果は,学術雑誌 Scientific Reports(https://doi.org/10.1038/s41598-019-48603-5)に掲載されます。

<ポイント>

・ブドウ果柄の抽出物にがん細胞の増殖や転移(浸潤)を抑制する生物活性があることを見出しました。

・研究グループが開発した手法で, 活性成分を単離・精製したところ, 上記の活性を示す新規化合物はエピカテキンの8量体を基本骨格にもち,そのうち一つの構成成分はエピガロカテキンで,他の一つはエピカテキンガレートであることが明らかになりました (図1)。

・この化合物はがんの転移促進遺伝子FABP5(fatty acid-binding protein 5)などがん関連遺伝子の発現を抑制し,がん細胞の増殖や浸潤を顕著に抑制することが分かりました。

・本研究成果は食品残渣を用いたがんの予防法の開発へ発展する可能性を示唆しています。

詳細については、以下からご確認ください。

プレスリリース文

<本件に関する問い合わせ先>

藤井博

国立大学法人 信州大学大学院総合理工学研究科 先鋭領域融合研究群・バイオメディカル研究所 教授

〒399-4598 長野県上伊那郡南箕輪村8304

TEL: 0265-77-1626, e-mail: hfujii@shinshu-u.ac.jp

真壁秀文

国立大学法人 信州大学 先鋭領域融合研究群・バイオメディカル研究所 教授

〒399-4598 長野県上伊那郡南箕輪村8304

TEL: 0265-77-1630, e-mail: makabeh@shinshu-u.ac.jp

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