信州大学附属図書館 信州大学附属図書館

信州大学附属図書館のこれから:withコロナの時代と呼ばれる中で(附属図書館長からのメッセージ)

全館

5月半ばを過ぎて、ようやく日本国内の新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着いてきたように見えます。しかし、「withコロナの時代」という言葉が出てきているように、この先も、感染症のような新たな脅威と向き合いながら、日々の生活、研究・学習・社会活動を営んでいく必要があります。

信州大学附属図書館は、4月2日(木)、信州大学新型コロナウイルス感染症対策本部による「集中対策措置」に基づき、4月3日(金)から臨時休館しました。その間、オンラインや郵送で行えるサービスは継続してきましたが、5月20日(水)からは、段階的にサービスを再開させていくことになりました。その中には、遠隔授業に対応するためのWi-Fiスポットの提供という、これまでは行ってこなかった新しいサービスも含まれています。

図書館の休館によって、学生の皆さん、特に卒業論文や修士論文の提出を控えた学年の皆さんは、多大な影響を受けていると思われます。順次、サービスを拡張していくので、活用してください。

新入生の皆さんは、大学で学ぶ経験が、いきなり「オンライン」で始まったことに戸惑いを覚えたことでしょう。大学図書館は膨大な知を蓄え、学生の皆さんが分け入るのを待っている「知の森」です。「知の森の案内人たち-学びのスタ-トを新書から始めよう-」というキャンペーンを行っているので、ぜひ参照してください。

コロナ対策による図書館の休館で、学生・教職員の方々がどのような影響を受けたのか、今後どのような対策をとっていく必要があるのかについては、これからの検証と実践が必要です。この中で最も重要な論点の一つは、「自宅等に居ながらにして使える図書館サービス」が、どれだけ準備できていたのか、ということです。誤解をおそれずに言えば、自然科学分野においては、「かなり準備が進んでいた」(もちろん、電子ジャーナルの購読やオープンアクセスの手法の問題は厳然としてあります)と言えるでしょう。しかし、人文・社会科学分野においては、「ほとんど準備ができていなかった」と言わざるを得ません。そして、より重要なことは、「図書館が休館になって困った」と研究者が言うだけでは、この問題は解決しないということです。これをきっかけに、研究者と図書館がさらに連携し、学会、出版社とともに、あらゆる学問分野でのオープンアクセスを進めていくことが急務であると考えています。

これからの大きな変革の時に向けて、今後とも、当館の活動にご理解・ご協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

2020年5月25日
信州大学 附属図書館長 渡邉匡一