施建准教授ら、環境調和型ソーラー蒸発材による海水淡水化・廃水浄化技術を開発 ― 農業・生活利用に直結する高い生体安全性を実証 ―
信州大学学術研究院繊維学系の施建 准教授(繊維学部機械・ロボット学科、信州大学Rising Star教員)を中心とする国際共同研究チームが、太陽光を使って海水や廃水を浄化する新しい技術を開発しました。この技術は、天然素材であるキトサンをベースに、グラフェンなどを加えた特殊なエアロゲルを使用します。このエアロゲルは、太陽光を効率良く熱に変えて水を蒸発させ、純粋な水だけを集めることができます。従来の技術と比べて、このエアロゲルは非常に高い蒸発効率と耐久性を持っています。さらに、生成された水は飲用レベルの安全性があり、材料自体も生物に対して無害であることが証明されました。海水から純水を作り出すだけでなく、染料や油分を含む廃水の浄化にも高い効果を発揮します。この研究は、水不足や環境汚染といった地球規模の問題を解決する、持続可能で安全な技術として期待されています。
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〈論文情報〉
雑誌名: Chemical Engineering Journal
論文タイトル: Biosafety aerogel for solar-driven desalination and wastewater purification
著者名: Chunqing Niu, Yi Zhang, Feifei Wang, Chenyuan Guo,, Yiyu Wang, Chunhong Zhu, Jian Shi
公開日: 2025年8月19日
DOI: 10.1016/j.cej.2025.167378
URL:https://doi.org/10.1002/adma.202509631