わたなべ きょういち
渡邉 匡一
日本言語文化 教授
教員 BLOG
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4月11日、東北地方を再び大きな地震が襲いました。 前回、調査をしている寺院の蔵の整理をしたわけですが、後々も大きな余震が襲うことは充分理解していたはずなのに、うっかり元の状態に戻して帰ってきてしまいました。 頭ではわかっているつもりでも… そこに住んでいないことの甘えですね。 再び、いわきへ行ってきました。
この寺院は、如来寺といって、鎌倉時代から室町時代にかけて、東北における浄土宗(名越派)の本山でした。同時代から室町時代にかけての古写本も数多く残されており、13年かけて行ってきた調査も、今年中には終わる予定でした。 原発の状況が悪化しないことを祈るばかりです(もちろん、書物などより、住民の皆さんの方が大事であることは言うまでもありません)。
ついでに、如来寺から本山を受け継いだ専称寺の様子も見てきました。 専称寺の本堂は国の重要文化財に指定されていますが、老朽化が進んでおり、本堂の後ろからワイヤーで引っ張っている状態なのです。
行ってみると、まだなんとか持ちこたえていました。 しかし、本堂の壁には、あちこちにひびが入っており、果たして、今後の余震に持ちこたえることができるのか、不安になります。 写真には載せていませんが、惣門(入り口の門)や、歴代住職のお墓などもかなりの被害が出ています。