教員紹介

おかもと たくや

岡本 卓也

心理学・社会心理学 准教授

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「人はなぜ山に登るのか」

先日取材を受けた記事が出版されました。
「人はなぜ山に登るのか」というテーマで『岳人』3月号です。

「なぜ山に登るのですか?」
「そこに山があるから(Because it’s there.)」
というマロリーの有名な言葉がありますが,山登りの動機や心理的機能について,(やや無粋かも知れませんが)ここ数年取り組んでいます。
 このテーマで学会発表などもしてはいますが,それほど研究者の関心を惹くテーマでもなく,研究としての山登りについて,これまで誰かとお話することはほとんどありませんでした。取材時にはそれを聞いて下さるということで,3時間以上も,のべつ幕なく喋り続けてしまいました。記事はほんの2ページほどなんですが。それでも,あれだけ纏まりのない喋りを,とても丁寧にまとめて下さいました。

 紙面の都合もあり,学術的観点からは正確性に欠ける部分や不十分な内容もありますが,自分の趣味と研究が繋がったものが,日の目を見るというのは,とてもありがたいです。2,3キロの調査道具を背負って登った甲斐がありました。
 まだまだ,未公表のデータなども沢山あるので,今度は学術誌にも発表していきたいと思うところです。

 なお,誌面でもチラリと触れていますが,先にあげたマロリーの「そこに山があるから」というセリフ。よく「山を登ることに理由なんてない」とか「言葉にするなんて野暮だ」といった意味で解釈されていますが,件のインタビューが掲載された1923年のThe New York Timesを全文読んでみますと,彼は「前人未踏の世界最高峰エベレストがそこにある。それに挑みたいというのは人間としての性だ」という意味で発言していることが分かります。このことだけでも,まだまだ研究すべきことが盛りだくさんに思えてなりません。

山頂付近などで疲れているところを調査にご協力いただいた皆さまに,改めて感謝申し上げます。

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