きくち さとる
菊池 聡
文化情報論・社会学 教授
教員 BLOG
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研究・教育のテーマ
人の「心」の働きを一種の情報処理システムととらえる観点から、知覚や思考、記憶といった日常的な認知で生じる「思い込み(認知バイアス)」の仕組みや特徴をとらえる研究を行っています。これらの研究成果を、実践的な考える力や、わかりやすく情報を表現する力、前向きに課題に取り組む力、メディアを批判的に読み解く力、などの「21世紀型の能力」を向上させるための教育に活かすことを目標としています。
中でも重要と考えているのは「クリティカル・シンキング(批判的思考)」の研究と教育です。クリティカル・シンキングとは、ある主張を合理的に多面的に評価し、よりよい判断を下すことができる偏りのない思考です。私たちの日常生活はもちろん、さまざまなビジネスの現場や政策的な意思決定を含めた広汎な局面で重要になる思考のスキルです。そして、その特性と獲得を考える手がかりとなるのが、偏った非合理的な思考としての疑似科学的思考や超常信念(パラノーマルビリーフ)です。クリティカルシンキングの対極にあるこの信念と、そこにある認知バイアスを分析することで、私たちの日常の思考の錯覚についてとらえることができると考えています。
また、クリティカル・シンキングは、リスク情報を的確に判断し、思い込みを排して災害時の適切な対処行動につなげる重要な思考スキルでもあります。こうした防災心理学の観点から、信州大学地域防災減災センター長をつとめ、防災減災にかかわる教育啓発活動に従事しています。
【新着情報】 最近の出版・執筆・その他の活動について記紹介します.
《執筆記事等 新規準備中です》
《一般向け講演・出前講座・社会連携活動》
大学の研究成果を広く社会の課題解決に役立てるためのアウトリーチ活動(出前講座・研修セミナ−・サイエンスカフェ等)に取り組んでいます。一般の方にご参加いただける最近のイベントを紹介します(各講座の参加お問い合わせは主催者・主催団体へお願いいたします)。
新規準備中です
放送大学「錯覚の科学('20)」主任講師 BS放送大学で放送中です。
そのほか、「特殊詐欺・悪質商法にだまされないために」「わかりやすい情報表現」「クリティカルシンキング入門」「防災減災の心理学」等、心理学研究を日常に役立てるテーマで多くの自治体や企業・公共団体で講座や啓発活動を行っています。お問い合わせは、長野県内の自治体・学校などの方は信州大学出前講座担当へ、防災減災関連は信州大学地域防災減災センターへ、その他は信州大学人文学部へお願いいたします。
主要著書など
『なぜ疑似科学を信じるのか 思い込みを生むニセの科学』 化学同人
『自分だましの心理学』 祥伝社
『超常現象をなぜ信じるのか 思い込みを生む「体験」のあやうさ』 講談社ブルーバックス
『超常現象の心理学』 平凡社
など
翻訳書
『クリティカル・シンキング 入門篇』『〃 実践篇』『〃 不思議現象篇』 北大路書房
大学での教育活動情報は所属する文化情報論分野のページをご覧下さい。