教員紹介

いとう つくす

伊藤 尽

英米言語文化 教授

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聖オーラヴル王の死に場所

「言語接触と変化」国際会議を前に、1日取材日として早めにトロンヘイム入りをした僕は

tourist informationに行ってから、スティクラスタージルへの行き方を尋ねました。

バスがあるかどうかを確認したかったのですが、そこではわからないと言われ、

とりあえず、トロンヘイム駅のバスターミナルで直接行き方を尋ねてみることにしました。

 

そもそもどうしてそのような場所に行こうとしたかと言えば、まずそこは

聖オーラーヴル王(995-1030)が戦死をした場所であるということがあります。

そして聖オーラーヴル王は、死後、中世北欧から中世イングランドにかけて

聖人として最も人気を博した人物の一人だったということがあげられます。

もっとも日本ではほとんど知られることもなく、今日まで至っているのですが・・・。

 

1996年の国際サガ学会の時には、確かバスツアーで行ったはずですが、 それはバスを

チャーターしたもののようで、残念ながら、今はそういうバスはないようです。

ところで、僕は1996年のその機会を持ちながら、別のツアーに参加したので、スティクラスタージル

を訪れることはなかったのです。でも、その時行かなかったことを、後に深く後悔し、

いつか機会があったら、また是非その地におもむいてみようと決心したのでした。

 

バスのチケットカウンターで「電車があるよ」と言われ、もう一度両替をした鉄道駅チケット 売り場に戻ります。

この駅舎は、ノルウェーのあちこちに見られるような、木材を利用して

北欧デザインらしいシンプルかつスタイリッシュな構造をしている、典型的な現代北欧の

建築デザインが活かされている建物で、決して広くない空間に、余裕と落ち着きを持たせ

列車を待つ人々の心を和ませます。

 

詳しくは、さらなる手記をお楽しみに。

 

いずれにしても、聖オーラヴル王の戦死したスティクラスタージルは、現代ノルウェー語

でスティクレスタードと発音する場所として、博物館とギャラリーを合わせたような建物

が建っていて、特に、子どもたちへの中世ノルウェー史の教育に役立つようになっています。

 

多少のトラブルと天啓のような運に恵まれて、なんとか無事取材を終了。

 

1996年以来、ずっと宿題だった、この聖オーラヴルを記念する土地への訪問を

十四年以上経って、遂に果たすことが出来ました。

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