社会学のお薦めの本(2017年版)
ここでは、主に社会学分野を志す初学者向けの本や、やや難しいが読んでほしい古典の基礎文献を中心に集めました。
社会学分野を志す人は、1冊でも2冊でも気になるものから読んでもらうとよいかと思います。
各カテゴリで、難しいが外せないと思うものは末尾に(上級向)としてあります。
各教員の専門領域の本については、特に示さなくても中級レベルのものも含まれます。
なお「初学者向け」とか「上級向」とは、読むためにどの程度の下地が必要かということの目安を表します。初学者が上級向けの本を読んでもちんぷんかんぷんかもしれませんが、上級者が初学者向けの本を読んでも得られるものはあるでしょう。
最終更新日:2017/2/9
○社会学とはどのような学問か
・宮島喬.2012.『社会学原論』岩波書店.(初学者向け)
・ジグムント・バウマン、ティム・メイ(奥井智之訳).2016.『社会学の考え方』[第2版]ちくま学芸文庫.(初学者向け)
・今田高俊(編).2000.『社会学研究法:リアリティの捉え方』有斐閣.(初学者向け)
・小林盾他(編).2014.『社会学入門:社会をモデルで読む』朝倉書店.(初学者向け)
・内海博文(編著).2014.『現代社会を学ぶ:社会の再想像=再創造のために』ミネルヴァ書房.(初学者向け)
・レイモン・ブードン(宮島喬訳).1970.『社会学の方法』白水社クセジュ文庫.(初学者向け)
・盛山和夫.2011.『社会学とは何か』ミネルヴァ書房.(やや上級向)
・アンソニー・ギデンズ(松尾精文他訳).2009.『社会学』[第5版]而立書房.
・碓井崧.2007.『社会学:原典で読む「規格化」と「多様化」』ミネルヴァ書房.
・佐藤俊樹.2011.『社会学の方法』ミネルヴァ書房.(やや上級向)
○社会科学の基礎的教養
・E・H・カー.1962.『歴史とは何か』岩波新書.
・竹沢尚一郎.2010.『社会とは何か』中公新書.
・スティーガー・マンフレッド(櫻井公人他訳).2010.『新版 グローバリゼーション』岩波書店.
・小熊英二(編著).2012.『平成史』河出書房新社.
・坂本達哉.2014.『社会思想の歴史:マキアヴェリからロールズまで』名古屋大学出版会.
・NHK放送文化研究所(編).2015.『現代日本人の意識構造』[第八版]NHK出版.
○古典を読む
・エミール・デュルケム(宮島喬訳).1985.『自殺論』中公文庫.
・マックス・ウェーバー(富永祐治・立野保男訳、折原浩補訳).1998.『社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」』岩波文庫.
・マックス・ウェーバー(大塚久雄訳).1989.『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫.
・ゲオルク・ジンメル(清水幾太郎訳).1979.『社会学の根本問題』岩波文庫.(2004年、居安訳もある)
・ロバート・K・マートン(森東吾他訳).1961.『社会理論と社会構造』みすず書房.
・ジェームズ・S・コールマン(久慈利武訳).2004,2006.『社会理論の基礎(上・下)』青木書店.(上級向)
・Bourdieu, P. (Translated by Richard Nice) 1984. Distinction: A Social Critique of the Judgement of Taste. Routledge.(日本語訳もあるけれど)
○社会学・社会科学の方法
・高根正昭.1979.『創造の方法学』講談社現代新書.
・チャールズ・A・レイブ,ジェームズ・G・マーチ(佐藤嘉倫他訳).1991.『社会科学のためのモデル入門』ハーベスト社.
・ヤン・エルスター(海野道郎訳).1997.『社会科学の道具箱:合理的選択理論入門』ハーベスト社.(この続編になる"Explaining Social Behavior"もある)
・久米郁男.2013.『原因を推論する:政治分析方法論のすすめ』有斐閣.
・保城広至.2015.『歴史から理論を想像する方法:社会科学と歴史学を統合する』勁草書房.
・舩橋晴俊.2012.『社会学をいかに学ぶか』弘文堂.
・カール・R・ポパー(大内義一訳).1971,1972,『科学的発見の論理』(上・下)恒星社厚生閣.(上級向)
・N・R・ハンソン(村上陽一郎訳).1986.『科学的発見のパターン』講談社学術文庫.
○社会調査・社会統計学について知る
・筒井淳也 他(編).2015.『計量社会学入門:社会をデータで読む』世界思想社.
・山田一成.2010.『聞き方の技術:リサーチのための調査票作成ガイド』日本経済新聞出版社.
・佐藤郁哉.2015.『社会調査の考え方』(上・下)東京大学出版会.
・岸政彦 他.2016.『質的社会調査の方法』有斐閣.
・矢守克也.2010.『アクションリサーチ:実践する人間科学』新曜社.
○社会学および関連領域の各論
●親密性/親密圏
・渡辺秀樹・竹ノ下弘久(編著).2014.『越境する家族社会学』学文社.
・筒井淳也.2008.『親密性の社会学:縮小する家族のゆくえ』世界思想社.
・表真美.2010.『食卓と家族:家族団らんの歴史的変遷』世界思想社.
・佐藤博樹 他.2010.『結婚の壁:非婚・晩婚の構造』勁草書房.
・舩橋惠子.2006.『育児のジェンダー・ポリティクス』勁草書房.
・松木洋人.2013.『子育て支援の社会学』新泉社.
●共同性/コミュニティ
・鳥越皓之.1993.『家と村の社会学(増補版)』世界思想社.
・町村敬志・西澤晃彦.2000.『都市の社会学』有斐閣.
・クロード・S・フィッシャー(松本康・前田尚子訳).1996.『都市的体験』未来社.
・田村公人.2015.『都市の舞台俳優たち』ハーベスト社.
・植田今日子.2016.『存続の岐路に立つむら』昭和堂.
・ジョン・アーリ(吉原直樹・大澤善信監訳).2003.『場所を消費する』法政大学出版局.
・松沢裕作.2013.『町村合併から生まれた日本近代』講談社.
●公共性/公共圏
・ユルゲン・ハーバーマス(細谷貞雄・山田正行訳).1994.『公共性の構造転換』[第2版]未来社.
・齋藤純一.2000.『公共性』岩波書店.
・仁平典宏.2011.『「ボランティア」の誕生と終焉』名古屋大学出版会.
・牧野智和.2015.『日常に侵入する自己啓発:生き方・手帳術・片づけ』勁草書房.
・中澤渉.2014.『なぜ日本の公教育費は少ないのか』勁草書房.
・中澤秀雄.2005.『住民投票運動とローカルレジーム』ハーベスト社.
・ジェイムス・S・フィシュキン(岩木貴子訳).2011.『人々の声が響き合うとき』早川書房.
●社会階層論(労働、教育、社会意識)
・竹ノ下弘久.2013.『仕事と不平等の社会学』弘文堂.
・Rothman, Robert A. 2005. Inequality and Stratification: Race, Class, and Gender. Pearson Prentice Hall.
・数土直紀(編).2015.『社会意識からみた日本:階層意識の新次元』有斐閣.
・吉川徹.2014.『現代日本の「社会の心」:計量社会意識論』有斐閣.
・香川めい・児玉英靖・相澤真一.2014.『〈高卒当然社会〉の戦後史:誰でも高校に通える社会は維持できるのか』新曜社.
・浜田宏.2007.『格差のメカニズム:数理社会学的アプローチ』勁草書房.(上級向)
・石田淳.2015.『相対的剥奪の社会学:不平等と意識のパラドクス』東京大学出版会.(上級向)
●社会ネットワーク分析・社会ネットワーク論・社会関係資本論
・安田雪.1997.『社会ネットワーク分析:何が行為を決定するか』新曜社.
・チャールズ・カドゥシン(五十嵐祐監訳).2015.『社会的ネットワークを理解する』北大路書房.
・リントン・フリーマン(辻竜平訳).2007.『社会ネットワーク分析の発展』NTT出版.
・Wasserman, S. and Faust, K. 1994. Social Network Analysis: Methods and Applications. Cambridge University Press.
・ダンカン・ワッツ(辻竜平・友知政樹訳).2016.『スモールワールド・ネットワーク:世界をつなぐ「6次」の科学(増補改訂版)』ちくま学芸文庫.
・アルバート=ラズロ・バラバシ(青木薫訳).2002.『新ネットワーク思考:世界のしくみを読み解く』NHK出版.
・ナン・リン(筒井淳也他訳).2008.『ソーシャル・キャピタル:社会構造と行為の理論』ミネルヴァ書房.
・ロバート・D・パットナム(柴内康文訳).2006.『孤独なボーリング:米国コミュニティの崩壊と再生』柏書房.
・ロナルド・S・バート.2006.『競争の社会的構造:構造的空隙の理論』新曜社.
●社会的ジレンマ
・佐藤嘉倫.2008.『ゲーム理論:人間と社会の複雑な関係を解く』新曜社.
・ロバート・アクセルロッド(松田裕之訳).1987.『つきあい方の科学:バクテリアから国際関係まで』ミネルヴァ書房.
・山岸俊男.1998.『信頼の構造:こころと社会の進化ゲーム』東京大学出版会.
・盛山和夫・海野道郎(編著).1991.『秩序問題と社会的ジレンマ』ハーベスト社.(上級向)
☆辻教授の専門領域
○数理社会学への招待
・数土直紀・今田高俊(編著).2005.『数理社会学入門』勁草書房.
・土場学他(編).2004.『社会をモデルで見る:数理社会学への招待』勁草書房.
・盛山和夫(編著).2015.『社会を数理で読み解く:不平等とジレンマの構造』有斐閣.
・髙坂健次.2000.『社会学におけるフォーマル・セオリー:階層イメージに関するFKモデル』ハーベスト社.
○グローバリゼーション(特に多文化主義・寛容関係)
・ベネディクト・アンダーソン(白石隆・白石さや訳).2007.『定本 想像の共同体:ナショナリズムの起源と流行』書籍工房早山.
・サスキア・サッセン(田淵太一・原田太津男・尹春志訳).2004.『グローバル空間の政治経済学』岩波書店.
・マイケル・ウォルツァー(大川正彦訳).2003.『寛容について』みすず書房.
・田辺俊介(編著).2011.『外国人へのまなざしと政治意識』勁草書房.
・田辺俊介(編著).2014.『民主主義の危機:国際比較調査からみる市民意識』勁草書房.
○文化資本論(特に音楽関係)
・Bennett, T. et al. 2009. Culture, Class, Distinction. Routledge.
☆茅野准教授の専門領域
○環境社会学への招待
・舩橋晴俊(編).2011.『環境社会学』弘文堂.
・舩橋晴俊 他.1985.『新幹線公害』有斐閣.
・宮内泰介(編).2013.『なぜ環境保全はうまくいかないのか』新泉社.
・宮内泰介(編).2017(2月近刊).『どうすれば環境保全はうまくいくのか』新泉社.
・平川秀幸.2010.『科学は誰のものか:社会の側から問い直す』NHK出版.
・宮本憲一.2014.『戦後日本公害史論』岩波書店.
○地域資源管理の社会的技術
・宮内泰介(編).2006.『コモンズをささえるしくみ:レジティマシーの環境社会学』新曜社.
・井上真(編).2008.『コモンズ論の挑戦:新たな資源管理を求めて』新曜社.
・佐藤仁.2011.『「持たざる国」の資源論:持続可能な国土をめぐるもう一つの知』東京大学出版会.
・丸山康司.2014.『再生可能エネルギーの社会化:社会的受容性から問いなおす』有斐閣.
・畑山要介.2016.『倫理的市場の経済社会学:自生的秩序とフェアトレード』学文社.
・安藤光義・フィリップ・ロウ(編).2012.『英国農村における新たな知の地平:Centre for Rural Economyの軌跡』農林統計出版.
○「ポスト3.11」の社会科学と社会理論
・ウルリッヒ・ベック(東廉・伊藤美登里訳).1998.『危険社会』法政大学出版局.
・菅豊.2013.『「新しい野の学問」の時代へ:知識生産と社会実践をつなぐために』岩波書店.
・西城戸誠 他(編).2016.『震災と地域再生:石巻市北上町に生きる人びと』法政大学出版局.
・五十嵐泰正.2012.『みんなで決めた「安心」のかたち』亜紀書房.
・稲垣文彦他.2014.『震災復興が語る農山村再生:地域づくりの本質』コモンズ.
・山口弥一郎.1943→2011.『津波と村』三弥井書店.