社会調査士関係

2015年度調査実習報告書『長野県におけるダイバーシティ~女性と定住外国人を対象に~』ができました

2015年度に,「社会調査実習」で取り組んできた調査報告書『長野県におけるダイバーシティ~女性と定住外国人を対象に~』ができました.

nagano_survey_2015.jpg県内20市町村の2,000人を対象とした大規模な調査票調査(アンケート調査)を中心に,当該自治体(役所・役場)に対する調査票調査,箕輪町での聞き取り調査の結果をまとめた報告書(本文が80ページ強,付録等を含めて150ページ強)です.

グローバリゼーションが進み,社会のダイバーシティ(多様性)が高まっています.たとえば,働く女性や働く外国人はますます増加しています.そこで本調査では,女性の就労に関わる現状とそれに対する意識(家庭における家事分担の様子や,子育てに関わる行政や企業の支援の様子,子育てを終えての再度の雇用の現状),定住外国人との関係と彼らに対する意識(人々の日頃の外交人とのつきあいや政治的志向性が,外国人や外国人の就労に対する意識に及ぼす影響)を明らかにしようとしました.

学生は,事前の政治理論や社会関係資本論の学習に始まり,仮説構築,調査票作成,サンプリング,回収と入力作業,データ分析,調査報告書の作成などのプロセスに携わりました.「社会調査士」課程で通常の学部の卒業程度と考えられる(探索的)因子分析や重回帰分析のほか,多項ロジット分析,確証的因子分析,潜在クラス分析など,必要に応じて学部の程度を超える分析を行ったサブグループもありました.

担当教員(辻)としては,この1年,この調査を成功させることを目標に取り組んできました.何度も日程が間に合わなそうになり危うい橋を渡りながらも,2,000人もの人々や20もの自治体にご協力いただいたことに何としても報いなければならないという思いでやってきました.年度末ギリギリでしたが,何とか成果物が出せて,胸をなで下ろしました.学生たちもそれぞれによく頑張ってくれました(もちろん,頑張りの程度には違いがありましたが).研究室全体で1年かけて1つのことに取り組むということは,人文学部の中でもあまりないことではないかと思います.これからも,こんなことをやってみたいなという学生さんが,たくさん社会学にやってきてくれればいいなと思っています.

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