学生による比較文学分野の紹介 2007年度版

森:こんにちは。比較文学分野2年の森です。
小山:同じく2年の小山です。
森:今回は「比較文学分野 HP」を訪問してくださった皆さんに私たちの比較文学分野を紹介し、学生によるインタビューを通じて比較文学分野の雰囲気を感じてもらえればと思います。
小山:これを見て、比較文学という分野に親しんでもらえると嬉しいです。

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森:では最初の質問に入ります。

〔どんなことに興味があってこの分野に入りましたか?〕

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岡平:北欧神話やギリシャ神話などの「神話系」を研究したかったのでこの分野を選びました。
片桐:自分は、昔から本が好きで、文学についての興味もあったのですが、特にこれが、というようなものはありませんでした。また、日本だけでなく、世界の文学作品にも興味を持ったため、より広く文学について知りたいという気持ちでこの分野を選びました。
小山:私も北欧神話に興味があったので、神話の研究が出来るこの分野にしました。また、日本文学、フランス文学、○○文学と限定されておらず、色んな文学、あるいはジャンルに触れることが出来る、というのも魅力的だったのでここを選びました。

 

 

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中澤:私は、もともと(運動が苦手なこともあって)本が好きで、小中学校ではよく図書館にこもって本を読んでいました。その中で、洋の東西を越えて似 通ったプロットを持つ物語が伝わっていることに興味を覚えていたのですが、1年次の文化コミュニケーション概論においてグリム童話とフランス民話・イタリ ア民話の関係、およびその関係を多元発生説、伝播説などの学術的見方から解釈することを教授いただいたことで、ぜひ自分でも研究してみたいという思いが強 くなりました。また、民話の持つ独特の雰囲気に惹かれる思いから、世界の民話に多く接してみたいという思いもありました。これらが、私が比較文学分野を選 択した理由です。
森:私はもともと日本の近代文学に興味があったのですが、日本文学以外の文学の世界に思い切って踏み込んでみるのも自分の視野を広げるのにはいいかもと思い、比較文学分野を専攻しました。

 

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梁瀬:様々な国や外国語(特にフランス)に興味があったので、他の分野と違い、一つの国や外国語に限られない様々な国や文学、また、音楽や絵画までも研究対象に出来る比較文学分野を選択しました。
渡邊:高校の頃から、日本文学系の学部に進学したいと思っていました。信州大学を受験することを決めたときも、文コミの方に日本文学科があったので、文 コミの方を受験しました。ところが、学科希望提出の直前に、他大学の日本文学系学科出身の母親から「日本文学なんて、古文の解釈とかそんなことばかりやっ てるのよ」と言われ、「うわっつまらなそう・・・でも文学系がいいし・・・おっ、比較文学なんてのがある!フランス文学や、英米文学みたいに、限定されて いるのよりは面白そう!」と思い、急遽第一希望を比較文学にしました。

 

 

 

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小山:うわぁーみんな熱いですね!!それぞれ違う考えを持って入ったんですね。
森:これらをみんな実現できるのが、比較文学分野のいいところですよねー。
次の質問に入りまーす。

 

 

 

 

〔どのような授業が行なわれていますか?〕

梁瀬:様々な分野(様々な国の文学、絵画、音楽、オペラ、ミュージカル、演劇など)を幅広く且つそれぞれを深く理解できる授業が行なわれています。また、発表などのプレゼンテーション能力も身に付く授業が多いです。

小山:うん、こんな感じですねー。ちなみに今年は、野津先生の授業でギリシャ悲劇やラテン語を(半強制的に?)やったり、渋谷先生の方では“宿命の女”(≒悪女)の出てくる小説、オペラ、映画などをとりあげたりしました。
森:私はオペラを見たことがなかったのですが、ここでオペラの楽しさを知りました!!!!
小山:ギリシャ悲劇も、授業を受けてなければ一生見ていなかったでしょう。
森:自分の知らなかった世界に触れるきっかけがたくさんある分野ですよね。
小山:では次の質問~

〔比較文学の資料室はどんな雰囲気ですか?〕

片桐:緊張しないで居られる、という雰囲気でしょうか。理由はよく分かりませんが。なんだか、本やら何やら「もの」に部屋が制圧されている感もありますけど。
小山:整理整頓出来てないってことではありませんよ!参考になる資料がたくさんあって充実してるってことです!!
森:でも、確かに本で囲まれてますよねー。最初はびっくりしました。
小山:最近はテーブルに何かしら食べるものが置いてあります(笑)。
森:みんな和気あいあいとしていい雰囲気だと思いますよ◎

〔先生や学生はどんな人たちですか?〕

岡平:先生は、いろんなことに寛大で、風刺の効いたコメントをするとても面白い先生方です。時折出てくる嗜虐的・自虐的な発言には笑わずにいられませ ん。子供心を持ったマイペースな先生です。学生はみんな文遊両道の精神を持った(まじめで)愉快な人たちです。個性豊かで面白いです。グルメ(B級)で、 ワイン好きでもあります。
渡邊:野津先生・・・最初の印象→悪  現在→良、賢い、優しい、寛大
渋谷先生・・・最初の印象→?  現在→良、面白い、ダメ男好き?
佐々木先生(全学共通機構の先生です)
・・・最初の印象→穏やか、優しそう  現在→穏やか、優しそう
先輩方・・・面白い、優しい
同学年 男子・・・変わっている  女子・・・かわいい

森・小山:(爆笑)
小山:いや、私は・・・野津先生は最初から良いイメージでしたよ(笑)。
森:わ、私もです(笑)。
小山:岡平君の言うように、学生は文武・・・じゃなくて文遊両道!? 的確にも程がありますね!(笑)。
森:渡邊さんの「男子→変わっている」って(笑)。個性が豊かってことですよね。
小山:良く言うとそうですね。
森:先生も先輩も気さくで話しやすいので、すぐに馴染めました。
小山:完璧なまとめですね! では次の質問に行きます!

〔授業以外での活動や交流などはありますか?〕

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中澤:新入生歓迎会、卒業論文ゼミ、合宿などで、実りある活動と交流が出来ます。私は個人的にあまり参加できていないのが残念ですが・・・。
小山:実りある(笑)。
森:歓迎会はコンパを開いてくださいましたし、合宿では白馬に行きました。これらについては写真を載せているのでご覧ください。きっと楽しい雰囲気が伝わると思います。次は中澤君も参加できるといいですね!
小山:実はこれを書いている今でも、飲み会の話が持ち上がっています!参加率も良く、みんなの交流が深まる場面がたくさんあります。
森:卒論ゼミでは、学生一人一人が研究対象として興味のあることについて調べ、火曜日の4・5限の時間に発表を行なっています。
小山:先生の話も聞けて、とても充実した時間です。

 

 

 

 

 

 

 

〔比文学生のおすすめ本は何ですか?〕

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岡平:夏目漱石の『こころ』です。高校の教科書で読んで以来、ずっと全俺No.1をキープしています。最初から読んだことがない人は、ぜひ読んでみてください。

片桐:最近読んで面白いと思ったのは、ヴィリエ・ド・リラダンの『未来のイヴ』です。完璧な美女である人造人間の制作と、その存在に知らず知らずのうち に翻弄されていく人間を描いた小説です。他にはフレデリック・ポールの『マン・プラス』です。火星環境での適応実験のためサイボーグ化され、変貌していく 男を描いた作品です。内容を書けばそれだけなのですが。
小山:研究対象だと、クロスリィ・ホランドの『北欧神話物語』が面白く、読みやすかったです。初めて北欧神話に触れる人にも向いていると思います。大衆 文学では、スティーブン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』(映画『ショーシャンクの空に』の原作です)や、金城一紀の作品がお気に入りです。
中澤:永井荷風の『ふらんす物語』です。日本に生まれ育ちながら、アメリカとフランスという二つの西洋社会を真摯な眼差しで見つめ、近代化と文化について深く思索した偉人の一作です。比較文学の授業で扱うかもしれません。
森:夏休みに読んで面白かったのは、遠藤周作の『沈黙』です。キリスト教が絡んでいて、ちょっと難解な話でしたが、読んだ後にいろいろと考えさせられる 良い作品でした。大衆文学でいうと、『天国の本屋』シリーズがおすすめです。さらっと読めちゃうので、興味のある方はぜひ読んで見てください。

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梁瀬:『立原道造詩集』です。
渡邊:宮本輝と桐野夏生が好きです。でもあまり研究の対象にはならないかもしれませんね。宮本輝は長編より短編のほうが好きです。桐野夏生は特に『グロテスク』が好きです。

小山:さすがみなさん、色んな本を読んでいますね!!
森:比較文学に来ると、色んな本が読め、自分の視野を広げることが出来ます。

 

 

〔比較文学分野に来て良かったことは何ですか?〕

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岡平:神話だけでなく、比較文学の面白さに気づくことが出来ました。あと、国やジャンルに縛られず、いろいろな作品に手を出せるのも、僕のような欲張りさんには最高です。
片桐:やはり、研究対象とすることが出来るものが非常に広範囲という点でしょうか。どの国の文学作品であるか、というようなことを気にすることなく自分が研究したいものが何であるか、また、それについて考えていくことが出来ると思います。
小山:この分野に来て良かったことは、今まで興味のなかったことも学べ、それについて考えることで、広い視野を持てるようになったことです。私は古代悲 劇やオペラなどに触れたことがなかったのですが、授業で鑑賞し、また原作と比較するのが楽しかったです。また、博識な先生・先輩方に出会え、広い知識が得 られたことも、この分野を選択して良かったなぁと思える点です。
中澤:北欧神話、異界、ロシアの祭事など、いろいろなことに深い興味を持つ先輩、友人、そして常に私たちを見守ってくださる先生方に出会えたことです。また、多くの文献も所蔵されており、大変参考になりました。

 

 

 

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森:これまで日本文学以外の作品に接する機会というのがほとんどなかったのですが、比較文学分野に入ってからは様々な国の文学作品を読むようになりました。それにより、以前よりも文学作品を深く味わうことが出来るようになったと思います。
梁瀬:先生や先輩方はみんな仲がよく、面白い方や面倒見のいい方ばかりなので、楽しいことです。
渡邊:教授や先輩が怖くなさそうなことと(笑)、ギリシャ神話や、フランス文学等、今まであまり興味がなかったものも意外と面白いと思えたことです。

 

 

 

 

 

 

 

〔比較文学分野を漢字一文字で表すと何?(その理由も!)〕

岡平:『混』。様々な国の文学、神話を研究している、多種多様な人たちが混在している何でもありな分野だからです。
片桐:漢字一文字で言えば『多』でしょうか。何というか、色々な意味で多様だと思います。それぞれの対象や個性など。

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小山:『趣』。自分の考えを広げ、文学のおもしろさをより深く楽しめるので、噛めば噛むほど味が出るスルメのような分野だと思います。
中澤:『越』。国境を越えて世界中の著者の文学を比較し、文学という枠を越えて音楽や絵画の世界まで探究し、時には時代を越えて現代と過去を見渡す。そんな今までの文学研究を超えた分野、それが比較文学だと思うからです。
森:『和』。いろいろな考え方を足していき、それらを複合することで、新しい発見をしていくという意味と、比較文学分野の雰囲気が和やかで、平和だという意味を込めました。
梁瀬:『興』。比較文学分野では、様々なことに興味が掻き立てられるし、また、それによって授業や研究が楽しく出来るであろうからです。
渡邊:『優』。「優しい」と「優れている」を掛けてみました。成績もこればかりだといいですね(笑)。

 

小山:私も最初は『混』を考えましたが(カオス的な意味で)、みんなカブってないのがすごいですね!
森:どれも的確に比較文学分野を表現していますね。

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森:以上で比較文学分野の紹介および学生インタビューを終わります。
小山:これを読んで比較文学に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。また、気が向いたらいつでも資料室に顔を出してください。優しい先輩たちが明るくもてなしてくださいます。
森:最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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