お知らせ・報告

20180515中国語サロン 「chu,ru」の発音、「学酥」とは

“学渣,学酥,学霸,学神”説明でのW君メモ、「DQN」なんて語も出ています

この日の中国語サロンは、学生、交換留学生、参加いただいているネイティブ非常勤講師の先生方、市民受講の方等、全部で8人参加でした。

この日は非常勤講師のL先生が学部学生3人に、会話練習と発音の基本チェックをしてくれました。その中で所謂そり舌音である“chu,ru”の学生たちによる発音が、なかなかL先生的にOKが出ません。どうも母音“u”の響きがしっかり出ておらず、L先生曰く「舌を動かして」。「舌を動かす」というのは中国語初級教科書におけるそり舌音の発音練習でも全くない説明ですから、聞いた人は皆戸惑います。私自身発音して確認してみると、確かにそり舌音の基本練習で最初に用いる“zhi,chi,shi,ri”に比べ、“zhu,chu,shu,ru”の方が子音から母音に移行する瞬間に舌を奥に引っ込める動きを大きく感じます。唇を丸くセットする“u”は口の奥の方で舌の位置をコントロールする必要があるためかと感じました。中国語でそり舌音は“翘舌音”“卷舌音”と言いますが、その解説は日本での中国語教科書同様、子音を発音する際の舌の位置に重きが置かれていて、子音から母音に移る際の舌の動きに説明したものはざっと検索かけた感じでは見当たりません。言葉の発音というものは舌やら唇やらを意識しているうちはまだまだダメで、無意識に発音しやすいポイントを掴めるようになるのが肝要ですが、意識していなかった分L先生から予想外の「舌の動き」コメントが印象に残りました。

市民開講受講生であるMさんが今時の中国若者言葉を知りたいと、交換留学生W君に質問すると、学生の間では“学渣,学酥,学霸,学神”という言い回しが流行っていると紹介してくれました。“学霸”は勉強のよくできる優秀な学生、“学神”は正に「神ってる」多方面で超優秀な学生という意味。“学神”は中国のネットでも時々目にするというMさんでしたが、“学酥”は初めて見る語で「どういう意味ですか?」と再度質問。“酥su1”は食べ物のパイのような、ほろほろポロポロ崩れやすい性質の物を指す字ですが、それを“学”と組み合わせると「かろうじて全体の形は保っているが、ちょっとしたことですぐに崩れてしまうダメ学生」という意味になるとのこと。“渣zha1”は豆腐を作るときに出るおからのような「絞りかす」を示す字で、そもそも形を成していないものというイメージがあり、時折崩落事故を起こす中国の建築物に関して手抜き工事を指す表現“豆腐渣工程”としてもお馴染みです。これが“学渣”となると「最初っから形になっていないダメダメ学生」で、“学酥”の更に下だと見做されるわけです。W君がこの日紹介してくれたのはこの4つでしたが、中国のネットではもっともっと細分化された多くの言い回しがあるようです(リンク先“学神 (网络用语)”参照)。
食べ物であるなら、“酥”は実に美味しそうなプラスイメージを持つ字なのですが、組み合わせる相手によってとんでもなくマイナスイメージを持つものだと逆に感心した一時でありました。

◎今年度の中国語サロンは毎週火曜昼休み(12:10~13:00)、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

ページの先頭へもどる