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L-シトルリンにパルミチン酸による乳腺上皮細胞死を抑制する作用を発見

研究

動物生理学研究室 MD Rezwanul Habibさん(博士課程3年)、米倉真一教授(学術研究院(農学系))らは、遊離アミノ酸の1つであるL-シトルリンがパルミチン酸による乳腺上皮細胞死に対して抑制効果を有することを発見しました。

世界的に乳牛は非常に高い泌乳能力を発揮するようになりましたが、高泌乳牛は、分娩後に泌乳量が急激に増加し、それに見合う採食量が確保できず、泌乳持続性(ピーク時乳量を維持する能力)が低下することが大きな課題となっています。これまで、エネルギー不足によって体脂肪から動員されるパルミチン酸をはじめとする飽和脂肪酸によって、ミルク合成の現場である乳腺上皮細胞の細胞死が引き起こされ、乳量が減少することが明らかにされていました。今回、パルミチン酸による乳腺上皮細胞死がL-シトルリンによって抑制されたことから、L-シトルリンの飼料添加による泌乳持続性の向上が期待されます。さらに、L-シトルリンはスイカなどのウリ科の植物の皮に多く含まれている成分であることから、未利用資源を活用した飼養技術の開発も可能になると考えています。

詳細については、以下からご確認ください。

タイトル:Palmitic acid-induced cell death: impact of endoplasmic reticulum and oxidative stress, mitigated by L-citrulline
著者:MD Rezwanul Habib 1, Yukako Tokutake 2, Shinichi Yonekura 2
著者所属: 1信州大学大学院総合医理工学研究科生命医工学専攻, 2信州大学学術研究院(農学系)
掲載誌:Animal Bioscience
DOI:10.5713/ab.24.0249
URL:https://www.animbiosci.org/journal/view.php?doi=10.5713/ab.24.0249

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