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高谷助教ら研究グループ 骨分化を促進するオリゴDNAを同定~骨粗鬆症の創薬シーズとして期待~

お知らせ研究

信州大学学術研究院(農学系)の高谷智英助教らのグループは、骨分化を促進するオリゴDNAを同定しました。

骨組織の恒常性は、骨芽細胞による骨形成と、破骨細胞による骨吸収のバランスによって保たれています。しかし、加齢によって骨芽細胞の機能が低下すると、骨リモデリングの均衡が崩れ、骨量や骨密度が減少し、骨粗鬆症の原因となります。したがって、骨芽細胞を活性化し、骨分化を促進する分子は、骨粗鬆症の創薬シーズになると考えられます。

研究グループは以前に、筋分化を誘導するオリゴDNAを発見したことから、骨分化を促進するオリゴDNAも存在するのではないかと考え、実験を行いました。その結果、乳酸菌のゲノム配列に由来する44種類のオリゴDNAの中から、マウス骨芽細胞の分化を促進する「iSN40」という18塩基の配列の同定に成功しました。iSN40には、骨分化に必要な遺伝子の発現を誘導し、カルシウムが沈着した骨細胞に成熟させる作用があることを確認しました。iSN40は、骨芽細胞を活性化するオリゴDNAとして、骨粗鬆症の治療に有用な核酸医薬品としての応用が期待されます。

本研究成果は、2022年5月14日に学術誌Nanomaterials(IF:5.076)に掲載されました。詳しい研究内容については以下をご覧ください。

タイトル:Identification of a novel osteogenetic oligodeoxynucleotide (osteoDN) that promotes osteoblast differentiation in a TLR9-independent manner
著者:Yuma Nihashi1, Mana Miyoshi2, Koji Umezawa3,4, Takeshi Shimosato1,2,3,4, Tomohide Takaya1,2,3,4,*(*責任著者)
著者所属:1Department of Science and Technology, Graduate School of Medicine, Science and Technology, 2Department of Agriculture, Graduate School of Science and Technology, 3Department of Agricultural and Life Sciences, Faculty of Agriculture, 4Department of Biomolecular Innovation, Institute for Biomedical Sciences, Shinshu University, Nagano, Japan.
掲載誌:Nanomaterials
DOI:https://doi.org/10.3390/nano12101680


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