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和製ハーブ「クロモジ」エキスの、インフルエンザウイルス 増殖抑制効果は、長時間持続する可能性があることを解明

研究

信州大学学術研究院(農学系)河原岳志准教授と養命酒製造株式会社(https://www.yomeishu.co.jp/)の共同研究グループが、クロモジ熱水抽出物に持続的なインフルエンザウイルス増殖抑制効果があることを明らかにしました(右図)。

インフルエンザの感染予防には、ワクチンや抗インフルエンザ薬が有効ですが、抗原性が変化しやすく、耐性株の出現もあることから、それらとは異なる作用機序を持つ素材の開発が期待されています。天然物由来の成分には、インフルエンザウイルスに直接働きかけて不活化させるものや、標的細胞に作用してウイルス増殖を抑制するものなど、多様な機序による感染抑制作用が報告されています。

クロモジエキスにも同様の働きがあることが明らかになっていますが、具体的な機序は明らかになっておらず、抑制効果の持続性についても研究報告はなされていませんでした。今回の研究によりクロモジエキスが宿主細胞に働きかけて感染抑制効果を示すことが示唆されました。また持続的なウイルス抑制効果をもつ可能性も示されました。

インフルエンザウイルスは細胞との接触により速やかに感染します。そのため、感染前に細胞に感染抑制効果を持たせておくことが望ましく、クロモジエキスはその条件を満たす素材であることがわかりました。

今後、クロモジエキスの抗インフルエンザ作用について、有効成分や生体における成分濃度・存在時間と作用との関係性、それらの現象を説明する分子機構のより詳細な解明が望まれます。

本研究成果は、『薬理と治療』(2019年47巻8号、2019年8月29日発刊)に掲載されています。

詳しい研究内容については以下をご覧ください。

和製ハーブ「クロモジ」エキスの、インフルエンザウイルス増殖抑制効果は、長時間持続する可能性があることを解明.pdf

クロモジ熱水抽出物の持続的なインフルエンザウイルス増殖抑制効果
河原 岳志1)、芦部文一朗1,2)、松見 繁2)、丸山 徹也2)
1) 信州大学農学部、2) 養命酒製造株式会社 商品開発センター
Jpn Pharmacol Ther, 2019, 47(8)1197-204.

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