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【交換留学】【ベルギー】ベルギー留学を終えて

応用生命科学科 Iさん
留学期間:2016年9月~2017年2月
留学先:ベルギー カトリック大学ルーヴェン

留学先大学について

 カトリック大学ルーヴェン(通称KUL)はベルギーの首都ブリュッセルから電車で30分ほどのルーヴェンという街にある、ヨーロッパの中でもとても有名な大学の一つです。1425年に設立された由緒ある大学で、その歴史はキャンパスや町並み等、至る所で感じ取ることができます。

 ベルギーの母国語は地域によってオランダ語かフランス語に分かれ、ルーヴェンはオランダ語圏となります。このため、現地の学生の母国語はオランダ語ですが、どの学生もネイティブと同じようにとても流暢に英語を使いこなします。また、ベルギー人以外の生徒も多く、大学院の授業では、ERASUMUS Programと呼ばれる留学制度により、他のEU諸国の多くの学生がこの大学に学びに来ています。学生のレベル、授業の質、研究のレベルはどれも非常に高く、特に生命科学の分野では酵母の研究が非常に盛んに行われているようです。

学習面について

 授業は一部文系科目を除き、オランダ語で行われています。このため、自身の専門科目を受講しようとすると多くの人は大学院の科目を受講することになるでしょう。ただ、科目によってはブリュッセルで開講されている場合や、隔年の授業、その年に開講されないものもあるため、履修計画の際は気をつけてください。

 僕が受講した科目の多くは3~6人程度の少人数クラスのものが多かったです。授業で当てられることも多く、先生も生徒の理解度を見ながら授業を進めてくれるため、非常に為になりました。また、授業の質はどれも非常に高く、自分の専門分野に関する理解度の低さとともに学習することの楽しさを改めて実感することができました。

 授業が終わってからテスト期間までは2週間ほどあり、その後3週間のテスト期間に入ります。テストは口頭試験が多く、問題を渡され3~4時間ほどで問題を解き、それを先生に説明するという形式です。口頭試験というと一見難しそうに思えますが、先生との会話の中で答えを導き出すことができるため、むしろ点数は取りやすい印象を持ちました。しかしながら、僕の受講した科目の場合、受講者の単位習得率は50%ほどであり、日本に比べるとKULでの単位習得は非常に難しいと思われます。授業時間が長く、範囲もとても広くなるため、テスト準備期間及びテスト期間はもちろんのこと、日々の勉強がとても大切です。

 また、中には英語力を上げたいという目的でこの大学への留学を目指す人もいると思います。この場合は、ルーヴェンにある語学学校に通うとよいかもしれません。僕は通う機会がなかったのですが、KULの留学生はとても安い料金で受講できるようです。さらに、目的が同じ多くの友人と出会えるため、語学習得の非常に良い機会となるように思えます。他の日本人留学生の中には、フランス語、オランダ語等、第三言語を学んでいる人も多かったです。

生活について

 KULのキャンパスはルーヴェンの街の至る所に点在しており、街の中は学生に溢れています。ヨーロッパというと今はいろいろと危険なイメージもありますが、他の都市に比べるとはるかに安全に暮らすことができます。また、生活に必要なものはすべてこの街で揃えることができ、街の中心部には日本食の手に入るアジアンマーケットもあります。半年間という短い間でしたが、非常に暮らしやすい印象を持ちました。

 街の中心部にはルーヴェンを象徴する建物の一つである旧市庁舎があり、その周辺にはベルギービールの店が立ち並びます。オールドマーケットと呼ばれるこの近辺は、KULの学生にはかかせない交流の場となっています。また、近くには美術館やコンサートホール、ジャズバーなどもありヨーロッパの芸術を体感することができます。さらに、中心部から歩いて30分ほどのところには無料で使用できる大学のスポーツ施設もあります。ぜひ自分なりのルーヴェンの楽しみ方を見つけてみてください。

留学で得たこと

 海外という新しい環境で暮らしていく中で、様々な人と接し、多くのことを経験し、多種多様な価値観及び視野を得ることができました。また、留学期間中は自分自身を見つめ直す機会が多かったように思えます。多くの失敗をする中で、自分に足りないものに改めて気がつくことができました。今回の留学で得た経験は、自分自身を見直し、今後将来に向けて進んでいくために非常に大きなものとなっています。

 KULの生徒は同じ授業を受講する仲間であっても、それぞれ大きく異なる専門や背景を持っています。授業に行くと、大抵はじめに聞かれるのが「What is your background?」という質問です。授業内で、問題に対し意見交換をする際、考え方も対処法も人によって大きく異なり、とても感心し、大きな刺激を受けました。また、一つの研究室にその専門に囚われず様々な専門の学生が在籍しており、改めて学際的な研究の大切さを実感しました。その上で今後自身が何を武器にして進んでいくのか、ということを強く意識するようにもなりました。

後輩へのアドバイス・知の森基金へ一言

 留学を目指すにあたり、皆それぞれ異なる目標を抱いていると思います。留学中の経験も十人十色。チャレンジ精神を忘れず、ぜひ自分だけの留学生活をデザインし、楽しんでください。

 最後になりましたが、国際交流課の方々、農学部グローバルデスクの中村様、そして身勝手な留学を認めてくださった研究室の田渕先生に深く感謝の意をささげます。ありがとうございました。

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