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令和6年度「高冷地域生物生産生態学演習」を実施しました

お知らせ農場系の実習

キャベツ収穫作業の様子
キャベツ収穫作業の様子
JA長野八ヶ岳白菜圃場(収穫後)の見学
JA長野八ヶ岳白菜圃場(収穫後)の見学
野辺山植生調査の様子
野辺山植生調査の様子
信州まし野ワイン見学
信州まし野ワイン見学
信州まし野ワインで記念撮影
信州まし野ワインで記念撮影

1.演習名
高冷地域生物生産生態学演習

2.演習の目的
野辺山農場及び構内農場において、演習では収穫体験を主として農から食への過程を体験的に学習し、園芸作物生産の基礎知識を習得する。高冷地域の植物生産と動物生産を複合的に学ぶことで、「食の安全、安心、安定生産」や「環境保全」などの分野に対する理解をより深める。

3.実施日
令和6年9月2日(月)~9月5日(木)

4.実施場所
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
野辺山ステーションおよび構内ステーション

5.担当教員
春日重光教授、今井裕理子助教、椎葉湧一朗助手

6.参加人数
35名

7.演習内容の概要

【1日目】
午前中に野辺山ステーションに到着し、野辺山の農業や複合農業について講義を行った。午後は川上村にてズッキーニ農家およびJA長野八ヶ岳の集荷場を見学し、ズッキーニ農家の油井氏よりズッキーニ生産について、JA長野八ヶ岳の大槻指導員より集荷場について説明を受けた。その後、野辺山の飯盛山を登頂しながら高山植物や植生を観察した。

【2日目】
終日、キャベツの収穫と出荷のための調整作業を行い、出荷作業を行った。作業を終え、15時半に伊那キャンパスに向けて出発した。

【3日目】
午前中は松川町の信州まし野ワインを見学した。社長の宮沢氏より醸造施設、有機果実生産と堆肥製造について説明を受けた。
午後は構内農場で野沢菜、ダイコン、羽広カブの播種、イチゴの栽培管理(ランナー、枯葉の除去、摘果)を行った。

【4日目】
午前中は9時から南箕輪村にある中道農園を見学した。社長の中道氏より、イチゴ農家になるまでの経緯や課題などについて説明を受けた。その後構内農場で洋ナシの収穫・除袋・予冷を行った。
午後はシクラメンの葉組を行った。最後に授業アンケートおよびレポートの作成を行った。

今回の演習では、野辺山ステーションで行った前半でズッキーニ農家とJA長野八ヶ岳、構内ステーションで行った後半で信州まし野ワインと中道農園の見学を行った。ズッキーニ農家と中道農園の2戸の農家見学を行うことで、農家の現状と課題、そして今後の取り組みなど、実際の農家の声を聞くことができた。

8.成果

8.1.全体的な評価
今回の演習内容について、演習の楽しさに関しては大変満足が参加者の80%、満足が14%、普通が6%(図1左)、また有益さに関しては大変有益が参加者の77%、まあまあが20%、普通が3%(図1右)と全体的な評価は高かった。普段やったことのない経験ができた、すごく貴重な体験ができたなどの声が非常に多かった。これは、本演習を受講した学生は生命機能科学コースの学生が主であり、フィールドを利用した実習や演習を今まで体験していなかったことが理由として挙げられた。

図1)演習の楽しさと有益さに関するアンケート結果.jpg

8.2.各演習内容について
各演習内容において、すべての演習内容の満足度は高かったが、特にワイナリー見学が最も満足度が高かった。これは、アンケートの感想にも書かれていたが、普段見ることができないワイナリーの中を特別に見学することができたからではないだろうか。また、生産農家の見学で話を聞き、収穫作業と出荷作業をすることで生産者サイドからの農業を知ることができたという学生が多く、これも満足度が高くなった理由の1つだと考えられた。

図2)各実習・講義の評価に関するアンケート結果.jpg

8.3.演習後、興味関心が増した事
演習後に興味関心が増した事については高い順に、農業29%、野菜20%、食料19%、高冷地13%、環境11%、家畜4%、その他3%、ない1%という回答結果になった(図3)。割合の多かった農業や食料、野菜では、農家見学や収穫作業をすることで、有機農業や農業の流通システム、環境に配慮した農業などに興味関心が増したとの声が多かった。高冷地や環境では、環境に配慮した農業、高冷地環境の農業や生活について興味関心を持ったとの声があった。また、家畜の世話をしてみたいとの声もあり、家畜に対する興味関心が増した学生もいた。

図3)演習参加後に興味・関心が増大した事に関するアンケート結果.jpg

9.今後の予定と改善点
本演習では、高冷地域における農業の現状や環境、課題について様々な視点から知り、考えることを目的として実習内容を組んでいる。その中に、野辺山の植生調査として飯盛山の登頂も内容に取り入れた。事前の予定表に山を登る旨は記載したが、本演習ではすべての学生が予定表を把握していたわけではなかった。そのため、事前予定表に記載する内容を学生が把握しやすいようにより詳しく記載するようにしていきたい。一方で、本演習は短い期間の集中したスケジュールのため学生が対応できるかやや心配したが、たくさんの種類の作業で1日が早く過ぎるほど楽しかったとの声があり、テンポよく演習ができたのではないだろうか。今後も、スケジュールを詰めすぎず充実した演習を心がけていきたい。

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