令和6年度「高冷地域応用フィールド演習」を実施しました
1.演習名
「高冷地域応用フィールド演習」
2.演習の目的
準高冷地の構内ステーションの生産圃場において野菜及び果樹類を教材として、野菜圃場の準備、播種、定植から収穫、出荷までの一連の作業と果樹の収穫・管理作業を通じて生産技術の習得を目的に、複数回の実習形式で行う。また、講義や近隣施設の見学を適時行いながら、現場での栽培技術や6次産業化をめざした安定生産技術を習得し、準高冷地及び高冷地における園芸作物の生産や流通システムについて理解を深める。
3.実施日
令和6年6月8日(土)、6月22(土)、9月18日(水)~9月20日(金)
4.実施場所
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
構内ステーション
5.担当教員
春日重光教授、今井裕理子助教、阿久津雅子准教授
6.参加人数
38名
7.演習内容の概要
【第1回 6月8日】
・斑分:1~8斑とした(各班に植物コースの学生を配置した)。
・果菜類の定植(ナス、ピーマン、加工用トマト、カボチャ)を行った。
・葉菜類の播種を行った。200穴セルトレイ利用、品目はキャベツ、ブロッコリー、レタス。床土資材として苗一番を、覆土は各トレイとも苗一番とバミキュライトを半分ずつ利用し、次回に生育を比較することとした。播種後ガラス温室で管理することとした。
なお、各作業は杉山技術職員が中心となって指導した。
【第2回 6月22日】
・前回播種した葉菜類の生育状況の観察とそのレポートを作成した。
・育苗した3品目の葉菜類の定植:圃場は活性汚泥の投入の有無を大試験区として各大試験区は各作目3反復乱塊法で配置した。
・ハウスの大玉トマトの脇芽取りと誘因作業を行った。
【第3回 9月18日~20日】
この期間は主に収穫~生産物の調整まで行った。販売の前段としての生産物調整の重要性を体験できたと思う。
・9月18日の午前中にネギの収穫を行った(杉山技術職員担当)。午後から和ナシ「豊水」「あきあかり」の収穫を行った(東技術専門職員担当)。
・9月18日の午後から9月19日にかけて、ブドウ「ナイアガラ」等、大粒系ブドウ「藤稔」、「長野パープル」、「シャインマスカット」の収穫・調整を行った(東技術専門職員担当)。また夏秋イチゴの栽培管理を行った(野田技術職員担当)。
・9月20日の午前中にJA上伊那果実選果場を見学し、その後野菜の出荷調整(杉山技術職員担当)、シクラメンの栽培管理を行った(野田技術職員担当)。午後は授業アンケート、レポート作成を行った。
8. 成果
8.1. 全体的な評価
今回の演習内容について、演習の楽しさに関しては大変満足が参加者の76%、満足が19%、普通が5%(図1左)、また有益さに関しては大変有益が参加者の84%、まあまあが16%(図1右)と全体的な評価は高かった。
8.2.各演習内容について
各実習・講義について、その満足度について大きな差はなかったが、選果場及び蔬菜農家の見学等現場の実情を知ることができた点は、有意義であったと思う。
8.3.演習後、興味関心が増した事
演習後に興味関心が増した事については高い順に、流通39%、農業23%、品種16%、野菜12%、高冷地7%、家畜1%、ない1%という回答結果になった(図3)。
流通について、最も高い興味関心が示された点は、今後の就職も見据えた結果であるように思われる。また、農業に次いで品種への関心・興味が多かったのは、今後農業やその流通に関わる学生にとって有意義であったと思う。
9.今後の予定と改善点
今年度とほぼ同様な内容で実施する予定であるが、実習の各工程がつながった形で農産物が市場に出る流れをさらに明確な内容に整備していきたい。