令和4年度「高冷地応用フィールド演習」を実施しました
1.演習名
「高冷地応用フィールド生産生態学演習」
2.演習の目的
構内ステーションの生産圃場で,野菜類の栽培を中心に圃場の準備,播種,定植から収穫までの一連の作業を行う。また,果樹,花卉類の栽培についても栽培管理作業や講義,近隣施設の見学を適宜行い,園芸作物の生産や流通システムについて理解を深める。
3.実施日程
第1回:令和4年6月11日(土)
第2回:令和4年6月25日(土)
第3回:令和4年9月14日(水)~9月16日(金)
4.実施場所
農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター(AFC)
構内ステーション
5.担当教員
春日重光,鈴木香奈子,今井裕理子
6.参加人数
27名
7.演習内容の概要
【第1回】野菜類の播種と育苗(6月11日)
キャベツ,ハクサイ,レタスの播種作業を行った。播種はコーティング種子および非コーティング種子を用い,200穴のセルトレイに育苗培土を詰めて行った。種子コーティングの有無による作業性の比較も併せて行った。播種後,育苗方法ついて学習した。また,トマト,ナス,ピーマンなどの果菜類の定植も行い,葉菜類との違いも体験した。
【第2回】圃場のマルチ張り,野菜苗の定植・管理(6月25日)
第1回に播種したキャベツ,ハクサイ,レタス苗の定植作業およびニンジンの播種を行った。また,定植前に育苗した苗の草丈,葉数などの生育調査を行い,種子のコーティング処理の有無や覆土資材の違いなどによる幼苗の生育の違いについて観察した。さらに,前回定植した果菜類についても観察した。
【第3回】果樹,花卉類の栽培管理,野菜類の収穫,生産物の出荷・販売施設の見学,園芸作物に関する講義(9月14日~9月16日)
第3回はAFC構内ステーションで栽培されているブドウ(ナイアガラ)の収穫,圃場の果菜類の収穫・管理,ハウスでの夏秋イチゴの管理等の作業など,各担当の技術職員の指導のもと行った。播種,育苗と定植を行った葉菜類については,生育の遅速の関係から収穫作業はできなかった。また,出荷施設の見学では,JA上伊那果実選果場で特にナシおよびリンゴの最新の共選施設を見学し,果実の流通に係る現状と課題について知ることができた。
8.成果
8.1.全体的な評価
演習の楽しさ,有益さともに8割以上が大変満足で,多くの受講生が概ね満足できた演習であった。
8.2.各演習内容について
出荷販売施設の見学は特に「大変満足」の割合が高く,また,実際に体験した野菜類の播種・育苗と定植,収穫や果樹・花卉類の栽培など園芸作物の講義に比べても,割合が高かったことから,今後,講義の内容についてさらに検討する必要があると考えられた。
8.3.演習後,興味関心が増した事
演習後に興味関心が増した事について高い順に,農業35%,流通35%,品種14%,野菜7%,家畜5%,高冷地4%という回答結果になった(図3)。
アンケートでは,今回の演習で準高冷地に位置する構内ステーションを演習フィールドとして利用する中で,農業,流通および品種などに興味を持った受講生が多かった。
9.今後の予定と改善点
コロナ禍の影響等も考慮し,令和3年に続き,令和4年度についても構内ステーションをフィールドとして,準高冷地の農業について,演習を実施した。また,今後,畜産に関わる実習を充実させる方向で検討する予定である。