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流体工学研究室
流体工学研究室

流体工学研究室

研究室概要

松原研究室では,自由噴流や境界層の乱流への遷移の基礎的研究を基として,遷移や乱流混合の制御とその工業への応用に関する研究を行っています.

  • 乱流境界層

    乱流の解明

    物体を流れの中に挿入したとき,物体表面に境界層と呼ばれる流速が遅い層が発達します.この境界層は物体に大きな影響を与え,また流れが層流か乱流かで与える影響も変わってきます.日常的に目にする流れはほとんどが乱流ですが,乱流が物体に与える影響は未解明な部分が多く乱流の制御などの技術は未だ確立されていません.そこで本研究室では大型風洞を用いて乱流の可視化やセンサ計測によりこの現象を解明するための研究を進めています.

  • 逆遷移

    撹乱が維持される仕組みの解明

    流れの状態には層流と乱流があり,その状態を決める一つの指標としてレイノルズ数があり, 流れのレイノルズ数を徐々に上げることで流れは層流状態から乱流状態へと変化する.この現象は一般的には遷移と言われている.一方,レイノルズ数を徐々に下げることにより乱流状態から層流状態へと変化することを逆遷移という.工業上における多くの流れ、大気の流れなど,通常目にする多くの流れのほとんどは乱流状態にあり,流れは遷移が起こることで乱流状態となる.圧力損失などの乱流や層流の特性や層流から乱流へと遷移が起こる仕組みを解明することは非常に重要である.逆遷移過程において流れは撹乱が維持できる限界の状態であるため,この撹乱を調べることは撹乱が維持される仕組みの解明につながると期待される.

  • 境界層遷移

    遷移過程の解明

    流れの中に置かれた物体表面には粘性の影響で速度が遅くなった領域,境界層がある.この層は,はじめは層流で,下流に向かうにつれ不安定となり乱流へと遷移する.遷移を起こす撹乱源の一つとして主流乱れがあり,乱れ強さが数%の場合,境界層内に縞模様に見えるストリーク構造が発生し,崩壊そして乱流へと遷移する. このことは工学的にも非常に重要だが,遷移過程についてまだ未解明なことが多い.そこで,水槽内で静止流体中を試験平板と乱流格子が別々の台車によって曳航される曳航水槽を用いて,遷移過程における構造のスケールと主流乱れ強さの関係を調べる研究を行っている.

  • 二次元噴流

    乱流噴流中の線形撹乱

    噴流は日常生活において、エアコンやドライヤーなど多く存在しています.この研究室では,噴流口近傍で撹乱を入れることで乱流噴流中の撹乱を励起し,定温度型熱線流速計(CTA)を用いて流れ場を測定することによって噴流口近傍で入れた撹乱の強さに対して線形的な性質をもつ撹乱を解明しようとしています.