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知的センシング研究室
知的センシング研究室

知的センシング研究室

研究室概要

 「計測を制する者は,技術を制する」という言葉もあるほど,簡潔で高性能なシステムの実現には,計測技術が不可欠と言われます.

 高山研究室では,電磁波を使ってコンクリート壁の健全性を診断する技術など,音や光・電波といった波動が反射や伝播してきた様子を分析することにより,非破壊・非接触にものの状態を計測する技術の研究に取り組んでいます.さらに,いつも同じ計測範囲や計測精度ではなく,計測システム自身が目的に応じてその性能を適応的に変化させられる能力を備えた「知的計測システム」へと,これらの技術を発展させることを目指しています.

  • 電磁波レーダによる非破壊探査技術

    電磁波伝播モデルに基づく高精度埋設物探査方法の構築

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     本研究では,トンネルや橋梁などのコンクリート構造物の健全度診断や耐震強度調査・耐震偽装問題といった社会問題に対し,マイクロ波レーダ技術を基盤とした構造物内部断面の高精度計測方法を確立するとともに,鉄筋・配管やクラック・空洞等をはじめとした様々な物体が共存する構造にも適用可能な,非破壊探査システムの構築を目指しています. アンテナアレイなどの複雑なハードウェアは用いず,マイクロ波レーダが本来備える潜在的な計測能力を適切な信号処理技術を介して引き出すことを基本としており,現在は将来的な3次元高精度内部構造推定へ向けた基礎技術の確立を目的としています.具体的には,マイクロ波伝播時間推定精度の向上と断面推定のためのマイクロ波伝播経路モデルの高度化を起点とした,計測対象物のプロファイル(複雑な断面形状など)を正確に推定するための方法論,ならびに複数の物体が存在する複雑な構造まで推定するための新たな信号処理方法について探求しています.

  • センサネットワークのための無線端末位置計測

    電波受信強度(RSSI)を利用した無線端末間距離の高精度推定法の構築

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     無線センサネットワークは,センシング機構を備えた小型無線通信端末より収集される情報を基に多点センシングを実現する方法のひとつであり,多方面への応用が期待される技術として近年研究が盛んです.その中でも,無線センサ端末の位置計測法は特に重要な要素技術に位置付けられており,これは端末の位置情報が直接的に必要とされるニーズは勿論のこと,それら情報とセンシング情報とを融合させれば,更に付加的な利用価値を与えられる可能性を持つためです. 本研究の目的は,小型・軽量・小電力・安価な端末といった無線センサネットワークの特徴的な枠組みの中で,高精度・リアルタイムかつ動的な無線端末の位置計測を実現する方法について構築することにあります.さらに,センシング情報と位置情報を同様のアーキテクチャで同時に獲得するための方法についても検討を加えており,獲得情報を融合させた高度利用法実現への可能性について探求しています.