超精密な原子・分子の集合体:ナノクラスターを創る

私たちは、ナノメートル(10⁻⁹ m)の極小な世界を探求しています。このスケールでは、通常の目に見えるサイズの物質(バルク)とは異なり、新たな機能が発現します。特に、金属や半導体の原子が有限個集まったナノクラスターは、バルク材料とは異なるユニークな挙動を示します。例えば、不活性な金がナノ化すると、触媒活性を持つ、磁性を示す、光を発するといった特性が生まれます。さらに、ナノクラスターは構成原子が一つ違うだけで、まったく異なる性質を示します。私たちは、こうしたナノクラスターを原子一つの精度で精密に合成し、その物性評価と機能発現のメカニズムを解明することで、より高効率な機能性ナノ材料の開発を目指しています。
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配位子によって保護された金属あるいは半導体ナノクラスター |
≪研究から広がる未来≫
ナノクラスターの特性を操ることで、エネルギー効率の向上や、より高感度なセンサー、次世代ディスプレイの実現が可能となります。さらに、精密に設計されたナノ材料が新しい触媒や医療デバイスを生み出し、技術革新を加速させるでしょう。私たちの研究は、未来の技術を形作る一歩となります。