小さく育てて大きく輝くナノ粒子の化学

数ナノメートルと、とても小さなサイズで結晶成長させた半導体微粒子は量子ドットとも呼ばれ、エネルギーを与えると鮮やかな光を発するようになります。最近はディスプレイにも組み込まれ使われるようになったこの発光材料を、環境への負荷が少ない元素でつくりあげる研究をしています。サイズや形が、量子ドットの光りやすさや色を決めるため、その制御がとても大切になります。たった1ナノメートル(10億分の1メートル)大きさが違うと、全然違う性質を示すこともあるので、本当に油断できません。
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量子ドットコロイド溶液の発光の様子。紫外線を照射すると明るく光る様子が見えます。 |
量子ドットの透過型電子顕微鏡象。結晶成長を制御すると、形も変わります。 |
≪研究から広がる未来≫
実はこの量子ドット、光るだけじゃないんです。光のエネルギーを電気(太陽電池)や化学エネルギー(光触媒)に変換したり、光の検出(光センサー)に使うこともできます。小さな粒子に、大きな可能性を秘めたナノ粒子が未来を明るく照らします。