座り心地の良い鉄道車両シートとは?

年末年始、帰省や旅行に鉄道を利用した方も多いのではないでしょうか。ある試算によると新幹線の平均乗車時間は約80分にも及ぶそうで、快適な旅には車内の快適性、とくにシートの座り心地が欠かせない要素と考えられます。先進繊維・感性工学科の吉田 宏昭 准教授は、生理的および心理的側面から、鉄道車両シートの座り心地について研究を行っています。これまでの研究では、コンピュータシミュレーションにより着座時の生体内の力の分布を推定し、腰周辺の応力と着座時の痛み感には相関があること、つまり、腰周辺の応力が増加すると痛みを感じることなどを明らかにしています。また、興味深いことに、材質が同じシートであってもシートの色によって座り心地が異なることも確認されており、青系シートの座り心地が比較的良いとのことです。
吉田研究室では、鉄道車両シートだけでなく、「歩き心地」、「座り心地」、「寝心地」といった人間の日常的な基本動作に伴う「心地」について、感性工学的側面から研究を行なっています。研究テーマはどれもユニークで、吉田准教授の今後の取り組みに注目していきましょう。
(掲載期間 平成30年 1・2月)