思いのままにタンパク質を創る!

七色に光り輝く人工タンパク質の結晶
天然タンパク質の機能・構造に対する理解は、近年の分子生物学や構造生物学の発展によって大きく進みました。その中で、人工的にタンパク質やタンパク質複合体を1からデザインすることに挑戦しているのは、応用生物科学科の新井 亮一 准教授です。新井准教授は "ヌンチャク型" の構造を持つタンパク質 (WA20) や100℃でも熱変性しないタンパク質 (SUWA) を人工的に設計・創出しました。さらには人工タンパク質のブロックを組み合わせて作る "タンパク質ナノブロック" 超分子複合体の研究も進めています。X線を照射して立体構造を解析するため、試行錯誤を重ねてようやく人工タンパク質結晶を取得しました。国際宇宙ステーション「きぼう」の無重力環境下でも、高品質タンパク質結晶を作る実験が行われています。
"タンパク質を見る、調べる、創る、使う" 新井研究室は、天然タンパク質の詳細な構造や機能に対する理解を深めて、有用な改変・融合・人工タンパク質を設計・開発・応用する研究を行っています。人工タンパク質を自由自在にデザインし、創出できるようになれば、新たなバイオ医薬品や産業用酵素、ナノバイオマテリアルなどの開発につながることでしょう。
(掲載期間 平成29年 3・4月)