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省エネで涼しい「発汗パーソナル冷却服」

サーマルマネキンを用いた検証実験

サーマルマネキンを用いた検証実験

地球温暖化の影響とみられる気候変動が国内外で報告されている昨今、わが国では省エネと温室効果ガス削減の観点から多くのオフィスで冷房の設定温度を28℃にすることが推奨されています。しかし現状では6割以上の人がこの環境に不満を感じており、"省エネ" と "快適性" の両立が課題になっています。先進繊維・感性工学科の佐古井 智紀 准教授は、水の蒸発によって身体を冷却する「発汗パーソナル冷却服」を開発し、28℃設定でも快適なオフィス環境を実現することを目指しています。冷却服の表面には中空糸が貼付されており、中空糸側面から滲出した水が蒸発する際に熱を奪うことで身体が冷却される仕組みです。


現段階では水の蒸発を促進するために小型のデスクファンが必要ですが、実際に着用した感想をアンケート形式で回答してもらったところ、扇風機などの既存の冷却機器を使った場合よりも冷却効果が優れていると感じた人が多かったようです。冷却効果の向上や操作性の改善など、佐古井准教授の今後の実用化に向けた取り組みから目が離せません。

(掲載期間 平成28年 9・10月)