江田 朋矢さん(D2)、橋詰 和徹さん(M1)、ODBAYAR NOMIN ERDENEさん(M1)が2026年度電気化学東海支部・九州支部合同シンポジウムにて優秀ポスター発表賞を受賞
2026年 9月26日(土)~27日(日)に信州大学繊維学部にて開催された2026年度電気化学東海支部・九州支部合同シンポジウム(ヤングエレクトロケミスト研究会・光電気化学研究会 トークシャワー・イン九州)にて、大学院総合医理工学研究科 総合理工学専攻 博士課程2年の江田 朋矢さん、大学院総合理工学研究科 繊維学専攻 化学・材料分野 修士課程1年の橋詰 和徹さん、同分野 修士課程1年のODBAYAR NOMIN ERDENEさん(3名共に杉本研究室)が優秀ポスター発表賞を受賞しました。対象者46件のうち受賞者7件です。
◆【江田 朋矢さん】
研究題目:層間の脱水和に伴いステージ2構造を形成する層状ルテニウム酸の熱力学安定性と活性表面積
研究概要:層状結晶では、層間に取り込まれた物質の出入りによって、異なる層間構造が周期的に配列した「ステージ構造」が形成されることがあります。この現象は、結晶構造や物性を制御する新たな材料合成法として注目されています。本研究では、層間水の脱離だけでステージ構造が形成される層状ルテニウム酸に着目し、層間水が弱く束縛されていることがステージ構造の形成に重要であることを明らかにしました。さらに、層間水の脱離に伴って電荷を蓄積できる内部表面積が減少することを見出しました。層間水を利用した結晶構造の制御と高性能電極材料の設計につながる成果として期待されます。
受賞コメント:この度は電気化学会九州支部・東海支部合同シンポジウムにおいて、優秀ポスター発表賞をいただき大変光栄に存じます。熱心にご指導いただいた杉本先生、村松先生をはじめ、支えていただいた研究室のすべての方々に深く感謝申し上げます。本研究では、層状ルテニウム酸の層間水がステージ構造の形成と電極性能に関与することを明らかにできました。今後はこの知見をさらに深化させ、より一層研究に励み、新たな電極材料の開発に貢献できるよう精進してまいります。
◆【橋詰 和徹さん】
研究題目:異方成長による水酸化ニッケルのエッジの増大と酸素発生反応活性の評価
研究概要:層状結晶の端面(エッジ)は、電荷のやりとりや化学反応性に優れた特性を示すことが知られており、新しい電極材料を設計する上で重要な要素になると考えられています。一般的に層状結晶はエッジの露出が少ない板状結晶となりますが、私たちはこれまでに金属イオンと有機分子からなる錯体を利用し、エッジが増大した柱状形態の層状金属水酸化物結晶の合成法を開発してきました。本研究では、柱状水酸化ニッケルの酸素発生反応活性を評価し、エッジの露出が少ない板状試料よりも外表面積あたりの活性が大幅に優れることを明らかにしました。エッジを積極的に活用する新たな電極触媒の設計法を拓く成果として期待されます。
受賞コメント:私にとって初めての学会でこのような賞をいただけたことにとても光栄に思っております。熱心にご指導いただいた杉本先生、村松先生をはじめ、支えていただいた研究室のすべての方々に深く感謝申し上げます。本研究では、エッジの露出が多い柱状水酸化ニッケルは、板状試料に比べて外表面積あたりの酸素発生反応活性が大幅に高いことを明らかにしました。本研究で得られた知見を基に、エッジが持つ特有の性質と触媒活性の関係をさらに明らかにし、環境・エネルギー問題の解決に貢献する材料の開発につなげていきたいです。
◆【ODBAYAR NOMIN ERDENEさん】
研究題目:Ir置換による一次元トンネル型酸化マンガンの細孔内電荷蓄積特性と電解液カチオン種の影響
研究概要:電気を高速に蓄えるキャパシタ材料の高性能化に向けて、結晶内部の微細な空間を電荷蓄積の場として活用することが期待されています。本研究では、一次元のトンネル構造を持つ酸化マンガンに着目し、マンガンの一部をイリジウムで置き換えたところ、単位表面積あたりの電荷蓄積量が増加することを明らかにしました。さらに、電解液中のイオンの種類によって電荷蓄積特性が異なり、イリジウム置換がその傾向にも影響することを見出しました。結晶内部の空間を積極的に活用する電極材料の設計につながる成果として期待されます。
受賞コメント:このたび、優秀ポスター発表賞をいただくことができ、大変うれしく思います。留学生として日本で研究を進める中で、このような賞をいただけたことは、私にとって大きな励みになりました。日頃から丁寧にご指導くださる先生方や、研究室の皆さんに心から感謝しています。発表では、他大学の先生や学生の方々と意見交換ができ、自分の研究を新しい視点から考える良い機会になりました。今回の経験を大切にし、今後も実験や議論を重ねながら、酸化マンガンの細孔内での電荷蓄積機構の理解を深め、より良い研究成果につなげていきたいです。
※本研究に関するお問い合わせは 化学・材料学科 杉本 渉教授(wsugi@shinshu-u.ac.jp)、村松 佳祐助教(kei_muramatsu@shinshu-u.ac.jp)までお願い致します。
関係者記念撮影(左から:日本ガイシ株式会社・電気化学会東海支部 鬼頭 賢信支部長、総合理工学専攻 博士課程2年 江田 朋矢さん、旭化成株式会社・電気化学会九州支部 船川 明恭支部長)
関係者記念撮影(左から:日本ガイシ株式会社・電気化学会東海支部 鬼頭 賢信支部長、繊維学専攻 化学・材料分野 修士課程1年 橋詰 和徹さん、旭化成株式会社・電気化学会九州支部 船川 明恭支部長)
関係者記念撮影(左から:日本ガイシ株式会社・電気化学会東海支部 鬼頭 賢信支部長、繊維学専攻 化学・材料分野 修士課程1年 ODBAYAR NOMIN ERDENEさん、旭化成株式会社・電気化学会九州支部 船川 明恭支部長)
杉本研究室集合写真