高分子化学のエキスパート

髙坂 泰弘
教員氏名 髙坂 泰弘
職名 教授
所属 化学・材料学科
研究分野

高分子化学・有機化学・材料化学

研究課題

繊維,プラスチック,ゴム,接着剤など身の回りにある高分子材料を,分子レベルで設計し,合成する研究をしています.高分子を構成する基本骨格を見直し,官能基や原子団の相乗効果を利用した反応設計や材料開発を目指しています.
従来の化学では,「親水性なら水酸基」のように,官能基と機能を1対1の関係で捉えていました.当研究室ではこのような「足し算の分子設計」ではなく,特殊な官能基配置がもたらす「掛け算の分子設計」で,効率的な高分子機能の創出を目指します.

出身校 東京工業大学(現・東京科学大学)
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一言コメント

分子は目に見えませんが,高分子材料は手に取って触ることも,素材として利用することもできます.自分が頭の中で考えた設計図通りに高分子を組み上げるには,どのような化学反応を使えばいいのか?合成した高分子は,どんな性質あるのか?実験をしていてワクワクする毎日が,ここにはあります.

研究紹介

分子を編み,新しい機能を紡ぐ ~分子設計が拓く,高分子化学の新地平~

資源循環な容易なプラスチックはどう設計すればよいのか?環境中で分解する繊維は作れるのか?切っても修復可能なゴムは?割れないガラスは?研究室では有機化学,高分子化学,材料化学を組み合わせて,新しい高分子材料を創製します.研究室では,有機合成から重合反応,熱物性や機械特性までを一貫して実験できる,国内屈指の研究環境を整えています.研究室で生まれた高分子は,企業からも熱視線を浴びています.

 

分子レベルで容易にリサイクル可能なアクリルガラスの開発 家庭用アイロンで修復可能な新しいゴムの開発

 

≪研究から広がる未来≫


石器時代,鉄器時代を経て,人類は高分子化学が支える現代を迎えました.プラスチックは環境汚染を起こすイメージがありますが,既存の高分子は,そもそも環境に配慮して開発された素材ではありません.つまり,今こそ高分子化学を見直すビッグチャンスです.当研究室では,サステイナビリティに配慮しながら,未来を開く高分子材料の開発を目指します.

高分子化学が創る新しい世界

真空ラインで空気に敏感な合成実験中

真空ラインで空気に敏感な合成実験中

繊維、プラスチック、ゴム、接着剤... 現在の日常生活は高分子材料に支えられています。一方、原料である石油資源の枯渇や、プラスチックの製造に必要なレアメタル触媒の稀少化、自然界に投棄されたプラスチックが引き起こす環境問題など、解決すべき課題が数多く存在するのも現実です。化学・材料学科の高坂 泰弘 助教は、これらの諸問題の解決を図るとともに、環境応答性やリサイクル性を有する革新的な高分子材料の開発に取り組んでいます。例えば、様々な化学物質と反応して分解するポリエステルを開発しました。この成果は高分子化学最高峰の国際誌 Polymer Chemistryに掲載され、高坂助教は同誌が選出する世界30名の若手研究者にも名を連ねました (こちら)。開発した新材料は低環境負荷なプラスチック、繊維の開発や医療用途への展開が期待されます。


高坂助教は企業との共同研究にも積極的で、イハラニッケイ化学工業(株)との共同研究ではポリエステルの新合成法を開発しました。高温・真空条件を必要とする上にレアメタル触媒を使用しなくてはならない従来の合成法に比べ、不純物が少ない高品質なポリエステルを低エネルギーで合成できるという特徴があるそうです。

(掲載期間 平成30年 5・6月)