ナノファイバーの未来を開拓

金 翼水
教員氏名 金 翼水
職名 教授
所属 機械・ロボット学科
研究分野

繊維工学、ナノファイバー

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一言コメント

ナノの世界では想像も出来ない事がよく起こります。このナノ材料を融合することで新たな世界が無限大に広がります。我々の研究室ではナノファイバーによってこの新しい世界を開拓していきます。

研究紹介

繊維を極限まで細く! 「ナノファイバー」で世界を豊かに!

みなさんは繊維と言われたら何を想像するでしょうか。ほとんどの人は、私たちがいつも身につけている衣服を想像されると思います。金研究室で研究を行っている「ナノファイバー」とは、直径が数十から数百ナノメートルの繊維であり、従来の繊維とは全く異なる新しい性質をもっています。繊維を極限まで細くすることにより、これまで採取することができなかった異物のフィルタリング・浄化作用、電気反応の効率化による燃料電池の性能アップ、医療分野高効率化などが期待されています。このナノファイバーが世界に広がれば、みなさんの生活が豊かになることは間違いないでしょう!

 

 
(左) 通気性、防水性に優れた透湿紡糸ジャケット。
(右) 小さなゴミも見逃さないクリーンルーム用ナノワイパー。
  (左) 世界で初めて開発に成功したパイロット式ナノファイバー量産機。(右) 作製したナノファイバー不織布。

 

≪研究から広がる未来≫


研究はそれだけで終わってしまっては意味がありません。私たちは、その先の「製品化」を目指して社会に直接貢献する研究を行っています。その結果、各種フィルター、透湿防水性ジャケット、クリーンルーム用ナノワイパーなどをはじめとした様々なナノ製品開発に成功しました。また、企業との共同研究の結果、これまで非常に困難とされていたナノファイバーの量産プラントの開発にも成功しました。まもなく、みなさんのすぐそばに、このナノファイバーが現れることになるでしょう。

極細繊維で私達の健康を守るモノづくり

近年、技術の急速な発展の一方で、水と大気の汚染が深刻化しています。私達の健康的な生活にとって、細菌を含まないきれいな水や空気は必要不可欠です。機械・ロボット学科の金 翼水 教授はナノファイバーを用い、これらの問題を解決する研究を行っています。ナノファイバーは1本の太さが100ナノメートル、髪の毛の500分の1程度という極細繊維です。従来のマイクロファイバーよりもさらに細くなったことにより様々な性能が向上し、医療分野から電気・電子分野まで幅広く研究開発が進められています。

現在、幅広い用途があるナノファイバーの半数以上が医療分野で応用されています。医療で使用する際、そのナノファイバーは抗菌性をもっている必要があります。従来のナノファイバーに酸化銅を付加することで、生成したナノファイバーは従来のナノファイバーよりも高い抗菌作用をもつことが確認されました。このナノファイバーは、エアフィルターやマスク、浄水用の膜、傷の治療、組織工学、加水分解など、様々な用途に使用されています。ナノファイバーの使用用途は幅広いがゆえに様々な可能性を秘めており、金研究室はその可能性をさらに追及していきます。

(掲載期間 令和元年 9・10月)