村井 一喜

教員氏名 | 村井 一喜 |
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職名 | 准教授 |
所属 | 化学・材料学科 |
研究分野 | 生体模倣化学、ソフトマテリアル、界面化学 |
研究課題 | (1) バイオミネラリゼーションの研究 |
出身校 | 名古屋工業大学 |
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一言コメント
生物が進化することにより獲得してきた機能を、観て・学び・模倣することで、これまでにはわからなかった現象や、新しい機能性材料の研究開発を行なっています。
研究紹介
生体に倣う環境調和型プロセスによる機能性材料の創製と医療応用
生物の有するバイオミネラル (歯や骨、貝殻など) は、常温常圧の穏やかな環境下にて構築されるにも関わらず非常に優れた機能を有しています。そのため、生物が行なっているバイオミネラルの構築プロセスを学び、模倣することで環境負荷の小さなプロセスにより、バイオミネラル様の材料創製が可能になると期待されています。本研究室では、生物から学び・倣う物作りを目指し、研究を行っています。
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有機成分と無機成分が作り出すナノレベルのファイバー構造。 | 95%が水から構成されるソフトマテリアル (ハイドロゲル)。 |
≪研究から広がる未来≫
生体機能に倣う構造制御技術の理解に基づく科学技術の発展は、次世代の環境調和型製造プロセスにより生体系での優れた機能性材料であるバイオミネラルをも超える"究極の機能性材料"として、次世代の安心・安全社会の形成に寄与すると考えられます。
生物に学び、創り出す未来の新材料
生物の骨や貝殻に代表される硬組織は、数ナノメートル (1ナノメートルは10億分の1メートル) の無機結晶と生体高分子が3次元的な階層構造を有する天然の有機無機複合材料であり、現在の材料構築技術では達成が困難な、優れた機能を発現しています。とくに、生物は硬組織を温和な反応条件下で生合成しており、そのプロセスは低環境負荷・省エネルギーによる次世代の機能性材料の構築手法として注目されています。化学・材料学科の村井 一喜 助教は、生物が長い進化の過程で手にした "もの作り" を "調べ・学び・理解する" ことで、優れた機能を発現する新材料の研究開発に取り組んでいます。その一例として、これまでは知られていなかった硬組織を形成する無機結晶の構造が "反応の足場となる生体高分子の形態" と "ミネラル源の連続的な供給" により制御されることを実験的に明らかにしました。また、生化学的な機構を解明する基礎研究だけでなく、生体組織と調和し、機能を発現する生体物質を起源とした未来材料の開発にも挑戦しています。
村井研究室では、学生の柔軟で自由な発想の基での実験を重要視するとともに積極的に学会で研究成果を発表するアクティブな研究活動を心がけています。また、他の研究機関との共同研究も積極的に実施しています。
(掲載期間 令和 2年 9・10月)