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内科学第三教室の下島 恭弘 准教授の研究成果がFrontiers in Immunology誌に掲載されました

2022年01月25日 [研究]

 難治性膠原病として知られているANCA関連血管炎を対象とし、ポリフェノール化合物であるレスベラトロール(RVL)の抗酸化作用を利用した治療の開発に結び付く研究の成果です。
 ANCA関連血管炎をはじめとした多くの膠原病は、過剰に反応した免疫機構が自らの身体を攻撃することで発症します。この過剰な免疫反応を抑えるために、免疫抑制薬の内服治療を継続する必要があります。しかしながら、治療を続けていても再発することが経験されます。その原因の一つとして、免疫機構の生理的な維持に中心的な役割を担う制御性T細胞(Treg)の機能回復が不十分であることを、私たちは過去に報告しました。Tregは私たちの免疫機構が過剰に反応することを制御する細胞として知られ、多くの自己免疫疾患でその機能障害が想定されています。今回の研究では、Tregの制御機能に関係する各種因子の発現障害が、活性酸素の過剰産生に影響されていることを発見しました。更には、RVLを含んだ培養液でTregを刺激すると、過剰な活性酸素の産生が抑えられ、Tregの機能が回復に向かうことを示しました。病気の寛解導入に免疫抑制薬による治療は必須ですが、再発なく完全回復を目指すためには原因に即した免疫調整薬の更なる開発が求められます。RVLは赤ワインやベリー類に含まれる自然食品であり、サプリメントとしても流通しています。RVLの抗酸化作用を応用した治療法が開発できれば、副作用の少ない生理的な治療法としても可能性が期待されます。

【論文掲載URL】
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fimmu.2021.789740/full

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