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国際交流・留学

2023年度 秋・イタリア「躊躇せず行こう!話そう!イタリア留学」(基礎研究)

2024年01月17日 2023学生派遣

氏名:直江 翔吾
派遣先:イタリア トリエステ大学
期間:2023年9月4日~11月20日

留学先大学について:
トリエステ大学はイタリアの北東に位置するトリエステという都市にある大学です。キャンパスはアドリア海に面する美しい景観の街の丘の上にあります。学内の言語はイタリア語ですが、博士過程の学生は毎年プレゼンテーションを英語で行う必要があるそうで、多くの現地の学生が英語を話すことができます。また主にEU加盟地域から留学生を多く受け入れているそうです。私のラボでは例外的に非EU地域(日本、セルビア、パキスタン)の留学生がいました。

学習面について:
私は今回, トリエステ大学での3か月の留学でチオプリン誘発性膵炎(TIP)の機序を解明するプロジェクトに参加させていただきました。実験を行ったグループはトリエステ大学の博士過程の学生2人と私たち日本人2人、セルビアからの留学生3人の計7名であり、大人数で上述の実験を行いました。それぞれに細胞ラインが与えられ、解凍、培養、パッセージ、分化誘導、凍結などのサンプルの準備は個人で行い、実験は分担するとういう形をとりました。
留学前に5月から組織発生学教室で培養や分化誘導の基本的な手技をトレーニングしていただいたことや8月に実験のトレーニングをしていただいたことで、トリエステ大学での手技は1週間ほどで獲得することができました。また現地での実験プロトコルは監督者の方針で配布されることは無く、口頭での説明を受け、それを書き取って自分で作成するというものであったため、信州大学での事前のトレーニングで用いたプロトコルがとても有用でした。また、実験の結果は同プロジェクトの学生と行い、議論し、深めることができました。

生活について:
トリエステは中央ヨーロッパの影響が大きく、典型的なイタリアの街ではないこともあり、ローマやヴェネツィアといった観光都市と比較して安全です。市内の移動手段はバスが便利です。生活必需品はスーパーマーケットで買います。物価は日本と比べて外食は約2倍、スーパーでの食品は日本の約1.5~1.6倍(為替レートくらいの差)です。したがって外食よりも自炊する習慣を付けると節約しながら生活できました。ただコーヒー文化の中心なだけあってバールに行けばエスプレッソは€1程度で飲むことができます。
住居に関しては、イタリアの学生はアパートの一室すべてを借りるというよりは家具付きのアパートを複数人でシェアするというのが一般的だそうです。したがって寝室はプライベートですがバスルーム、キッチン、トイレはすべて共用です。またユニットバスでバスルームにバスタブはないことが多いのでシャワーのみが普通です。ルームシェアをする相手とのコミュニケーションや交流も留学の醍醐味だと思います。

留学で得たこと:
研究を通して、細胞培養や分化誘導といった基礎的な手技やReal-time PCRやWestern blotting等の実験の手技を獲得することができました。また英語で研究の内容について議論する力を得ました。特に自分たちが関わったプロジェクトの成果が臨床に与える影響などを関わった人たちと議論できたことはで自分の英語力と考察する力に自信を持つことができました。

後輩へのアドバイス、奨学金システムへ一言:
日本での学習面における準備が非常に重要になります。できる限り研究室に通って疑問点を無くしてから行くと、現地でスムーズに始めることができます。専門的な用語の英語表現を知識として持っておくことなどは大事ですが、それ以上に現地のスーパーバイザーに質問したり、何が自分の中で腑に落ちないかを伝えようとしたり、どのような形でプロジェクトに関わりたいかを伝えようとする姿勢が大切です。
奨学金はバイオメディカル研究所から30万円いただきました。航空券すべてをまかなえるくらい頂くことができて助かりました。ご支援いただいた先生方に感謝を申し上げます。

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