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2024年度 春・タイ 「興味を持ったら飛び込んでみよう!」(臨床実習)

氏名:金子 真穂
派遣先:マヒドン大学 ラマティボディ病院
期間:2025年3月~5月

留学先大学について:
マヒドン大学はタイの首都バンコクにある国立大学で、タイ国内で一二を争うトップレベルの大学であり、特に医学部に関しては国内最高峰の権威を有しています。今回、私は附属病院のひとつであるラマティボディ病院で実習を行いました。この病院はバンコクの中心部にあるパヤータイに位置し、1000床以上の入院患者と1日あたりおよそ5000人の外来患者を受け入れています。

学習面について:
Plastic & Maxillofacial Surgery (形成外科)で2週間、Family Medicine(家庭医学)で2週間、Emergency Medicine(救急科)で4週間、合わせて8週間の臨床実習を行いました。回る診療科は事前に自分で選ぶことができます。形成外科では外来や手術見学、家庭医学ではカンファレンスや勉強会の参加、訪問診療の同行、救急科では回診、災害や小児救命のシミュレーションなどを行いました。タイでは解剖用語や病名など医学用語はタイ語ではなく英語のまま使われています。聞くところによると、タイの医学部では教科書もすべて英語のものが使われているそうです。そのこともあってか、医師や医学生は英語をとても流暢に話せる人がほとんどで、タイ語が分からない私のために積極的に通訳をしてくれて有難かったです。

生活について:
病院敷地内の寮に住むことができ、滞在費は無料です。同性の日本人と2~3人で部屋をシェアします。建物は古めですが、毎週金曜日に寮母さんが部屋を掃除してくれて清潔に暮らせます。部屋の鍵のほかに寮の入口にもロックがかかっており、セキュリティ面でも安心です。今回私が滞在した3~5月はタイでは一年で最も暑い時期で少し心配でしたが、寮の部屋や病院内、電車内など屋内はどこもエアコンが効いていて快適に過ごせました。病院敷地内にはフードコートとセブンイレブンがあり、外に出なくても食事や日用品には困りません。

タイの食事は安くて美味しいです。寮にはキッチンがなく自炊することが難しいため、これはとても助かりました。代表的なタイ料理としてはトムヤムクン、グリーンカレー、マッサマンカレー、パッタイなどがあり、バナナやマンゴーといったフルーツ、タイティーと呼ばれる甘いミルクティーも有名です。またタイでは日本食が人気でお店もたくさんあるため、日本食が恋しくなったらいつでも食べることができます。  

留学で得たこと:
まず、海外の医療現場を目にすることは今回が初めてだったので、それだけでも本当に貴重な経験でした。タイの医療は日本と比べてこういうところが良いな、逆にこういうところは日本の方が良いな、などと気付きを得ることができました。また、特に形成外科では美容整形やトランスジェンダーなど、日本の臨床実習ではなかなか見られないような症例を見ることもできました。

加えて、慣れない環境で新しい挑戦をして、時には困難に直面することで、思いがけず「自分探しの旅」にもなったと思います。医学部5~6年にもなると学生生活にも慣れて、毎日がルーティンワークになりがちで、自分自身を見つめなおす機会はなかなかないのではないかと思います。今回の留学で、私は自分の短所や長所を捉えることができました。このことはどんな形であれ、今後の人生において必ず役立つと確信しています。

後輩へのアドバイス、奨学金システムへ一言:
私が留学を考え始めたのは実は5年生の5月で、それまでは自分が留学するなんて全く考えたことがありませんでした。海外旅行は好きでしたが、海外に住んだこともないし国際経験もないし、留学をしている先輩や友人に対してどこか憧れはあっても自分には縁のない世界だと思っていました。そんな私が今、言えるのは「興味を持ったら飛び込んでみよう」ということです。もちろん、英語でのコミュニケーションや慣れない環境に苦労することもありましたが、日常の臨床現場の風景、海外に2ヶ月間住むという経験、初めてタイ人の友人ができたこと、日本人のルームメイトと過ごした日々、休日や自由時間の街歩き等、全てがかけがえのない思い出になりました。

 
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