10月7日、信州大学理学部は、学術研究に特化したクラウドファンディング(CF)で研究者の活動への支援を募る取り組みを始めると発表しました。三人の研究者が研究や実験費用などを、期間を限定し、目標金額を設定して募ります。このうちの一人が、山岳科学研究拠点の「 宮原裕一教授 」です。
 今回のCFは、“寄付型”と呼び、対価性のないものに限り、リターンを設定できるものです。また期間が限定され ( 今回は、10月7日~12月10日 ) 、その間に目標金額 ( 宮原教授は、100万円 ) を達成した場合のみ、決済が確定する仕組みです。この為、協力金に応じた特典を工夫して用意するなど、少しでも関心を持ってもらい、目標金額達成に向け取り組んでいますので、山岳科学研究拠点のトピックスにも取り上げました。
 研究内容や、ファンディングの用途等につきましては、下記本文にあるURLに詳細内容がありますので確認いただき、ここでは別の観点から、「 なぜ クラウドファンディングなのか? 」等、この仕組みへの思いを、宮原教授に綴っていただきました。今後の皆様方の研究を進めるうえでの、ひとつの選択肢となればと思います。

『 クラウドファンディングへの挑戦 』

1) なぜ、CFを選択したか?
 2018年から諏訪湖で水質の自動観測を産学官で行っています。湖上で観測を続け3年目となり、観測機器本体が老朽化してきました。また、観測項目を増やすため、センサを増設する必要もあり、観測機器本体の更新を目指しクラウドファンディングに挑戦することにしました。また、クラウドファンディングは広く一般に支援をお願いするものですから、クラウドファンディングを通じ、多くの方々に諏訪湖を知ってもらい、諏訪湖の未来を考えてもらうきっかけになれば良いと考えています。

2) CFへの期待
 クラウドファンディングの特徴として、支援者へのリターンがあります。このリターンを通じ、諏訪湖の環境だけでなく、私たち信州大学の研究活動についても理解して欲しいと考えています。私たちはフィールド研究をベースとしていますので、フィールド研究の面白さや苦労が一般の方々にも伝わることを期待しています。

3) 実際実施してみて感じたこと、課題等
 信州大学の卒業生だけでなく、様々な方々に応援していただいています。皆様のお気持ちに深く感謝しております。一方で、もっと多くの方々にクラウドファンディングに挑戦していることを知って欲しいと考えています。
 以下URLを広く周知する必要があります。
  「諏訪湖の水質予報」を実現したい!
 情報拡散よろしくお願いします。

4) 今後の学術研究とCFについて…。
 私たちが行っている基礎研究はすぐに役立つものではないかもしれません。それでも、自然環境を良くするためには、自然環境を良く知ることが大切です。研究はより良い未来のために行われており、一般の方々へその研究の面白さを伝えることができれば、応援していただけると信じています。市民から応援される研究って素敵だと思います。