「信大NOW」第142号 2023.11.30発行より(一部改変)

農学部機能性分子解析学研究室の藤田智之教授らの研究グループが開発した“高圧加工米*”の高血糖高齢者における血糖調節改善効果が明らかになりました。バイオメディカル研究所/大学院医学系研究科スポーツ医科学教室の増木静江教授らのグループとの共同研究です。
すでに6カ月以上インターバル速歩トレーニングを実施し、同トレーニングによる高血糖改善効果が頭打ちになっている51名の高齢者を、無作為に通常白米摂取群と高圧加工米摂取群の2群に分け、さらに同トレーニングを継続しながら、4カ月間それぞれの試験米を摂取してもらいました。その結果、高圧加工米摂取群のみで連続血糖測定法 (CGM法) による血糖調節能が改善し、さらに、その改善度が体内で慢性炎症を引き起こすキー遺伝子であるNFKB2のメチル化(不活性化)と相関しました。
この結果は、スポーツ医科学教室・大学院生の相田隆道さんの学位論文(博士)として同分野の国際専門誌**に発表されました。信州大学発の“高圧加工米”の実用化の契機となることが期待されます。

詳細は、以下をご覧ください。
*高圧加工米
https://www.shinshu-u.ac.jp/zukan/cooperation/post-60.html

**Aida T et al. Effects of high-pressure-processed rice intake during interval walking training on glycemic control and NFKB2 gene methylation in hyperglycemic older people. European Journal of Nutrition 64: 26, 2025.
https://doi.org/10.1007/s00394-024-03536-2