分子の並び方を制御して目標物性を達成する!
世界人口の増加と経済発展に伴い、繊維の需要は増加し続けていますが、その結果として廃棄される繊維製品の量も増え続けています。今後も人類が持続的に発展していくためには、廃棄物を製品に戻すサイクルを確立すると共に、繊維の物性・機能性を向上し、繊維を効率的に利用していくことが求められています。繊維の物性は繊維を構成する分子の化学構造と、分子の並び方で決まりますが、異方性の高い高分子から繊維を製造する場合には、分子の並び方の影響が非常に強くなります。同じ分子でも、綺麗に並べることで、より強く、より硬くすることができるのです。私達の研究室では、主に高分子繊維を対象とし、内部の分子の並び方を制御することにより、物性を向上する研究を行っています。
≪研究から広がる未来≫
着心地の良い衣服、座り心地の良いシート、燃費の良い自動車、消費電力が少なくて鮮明な表示デバイス、軽くて使いやすい工具、より人間に近いロボット、これら全てが、基礎材料である繊維やフィルムの性能向上により達成される可能性があります。繊維・フィルム材料は全ての産業の基盤であり、その発展は世界を変える可能性があると信じています。