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分子組織体を創り、理解し、使う

両親媒性のブロックポリマーやグラフトポリマーは、自己組織化することにより、ミセル、シリンダー、チューブ、ディスク、ベシクルなど多彩な集合体を形成することが知られています。一方で、これらの集合体を自在に作り分けることや、大きさを制御することは容易ではありません。そこで、私たちは、様々なポリマーを合成・設計し、どのように自己組織化するのかをX線や中性子などの量子ビームや電子顕微鏡などを用いて明らかにして、分子組織体の構造やサイズを自在に制御する手法の開発に取り組んでいます。同時に、分子が組織化することで発現する機能についても調べています。さらに、その分子組織体を用いてDDSナノファクトリー、人工細胞材料、人工分子チャネルなどのナノバイオ材料・システムへの展開も行っています。

 

 
両親媒性ブロックポリマーが形成する細胞サイズの高分子ベシクル   人工分子チャネルとして機能する高分子を組み込んだ
リポソームの模式図

 

≪研究から広がる未来≫


これまでに、私たちが開発した高分子ベシクルを用いて、くすりを疾患部位で産生するナノデバイスの構築に成功しています。さらに、性能を高めることにより、高い治療効果かつ副作用を低減できる医療技術につながると考えています。