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高配向・高密度配列によって半導体ナノ結晶の性質を生かした革新的デバイスを創出する。

半導体やセラミックなどの寸法100nm程度以下のナノ結晶は、目に見えるサイズの結晶では見られない、ナノスケール特有の様々な物性が発現することは良く知られています。その中で有益なものを抽出してデバイスの材料にしたいところですが、ナノ構造単体では利用が困難ですし、焼結体のようにナノ構造の凝集体にしても、互いに密着して所望の物性が損なわれたり、構造の向きがでたらめで互いに打消し合ったりします。 渡辺研究室では、上記(1)~(4)のような革新的デバイスの創出のための新機能/高性能材料として、電気伝導性を大きく変えられる半導体ナノ結晶と、その高配向・高密度配列に注目しています。具体的には、個々の半導体ナノ結晶が持つポテンシャルを上手く引き出せるマクロな構造として、ナノワイヤ構造 (1次元)、原子層シート構造 (2次元)を有する半導体ナノ結晶を単位構造として、その構造自身・結晶の向き (配向)、構造配列を自在に制御した"高配向・高密度配列"に注目しています。また、個々の半導体ナノ結晶が持つポテンシャルを知るため、電子顕微鏡内で個々のナノ構造とそのナノ物性の関係を評価する手法も独自に開発しています。

 

 
自立ナノワイヤにナノ圧子で応力を印加しながら、ナノワイヤ局所の歪、歪変調バンドギャップ、電気特性を評価可能な独自装置。   直径150nmの圧電体ZnO自立ナノワイヤ配列のうち一本に、ナノ圧子で曲げ応力を印加している様子のSEM観察。ナノワイヤは大きく弾性変形しており、機械的に強靭なことがわかる (弾性歪4%:通常の100倍!)。

 

≪研究から広がる未来≫


未来のセンサーネットワーク社会における要のデバイスを生み出す上で、半導体ナノ結晶の高配向・高密度配列は、高いポテンシャルをもつ新機能/高性能材料群です。ナノ構造材料の開発とそのデバイス応用を双方向に考えながら、夢のような新機能/高性能材料や革新的デバイスを実現させたいと思っています。