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植物のもつ未知なるチカラを探る旅

自ら移動することが出来ない植物は、色や香り、防御物質などのさまざまな化合物を作り出し、その生存戦略に利用しています。それらには、薬の成分や機能性成分など、私たち人間の生活に役立つ化合物も数多く存在します。例えば、身近な食材であるソバは、その種子発芽に伴って血管増強作用や抗酸化作用を示す "ルチン" や "フラボンC-配糖体" などの機能性成分を大量に作り出します (写真)。応用生物科学科の田口 悟朗 准教授は、これらの機能性成分を作り出す遺伝子や酵素の働きを分子レベルで解析するとともに、酵素遺伝子を組み換えた大腸菌を利用してC-配糖体 (糖の結合が化学的に安定で加水分解を受けないため、通常の配糖体よりも生理活性が高くなることがある) を高効率で作ることにも成功しています。


田口准教授は、ソバのほかにもミカンやワサビなどの身近にある様々な植物を研究材料にしており、「植物が研究ネタの宝庫に見える」そうです。田口研究室ではこのような植物のもつ機能(チカラ)の解明を進めるとともに、その利用を目指した探究の旅が続いています。

(掲載期間 平成30年 7・8月)