麦谷捺樹さん(M2)・加藤友輝さん(M1)が2025年度日本繊維製品消費科学会 年次大会にて、若手優秀発表賞を受賞
2025年 6月21日(土)・22日(日)に日本女子大学にて開催された2025年度日本繊維製品消費科学会 年次大会にて、大学院総合理工学研究科 繊維学専攻 先進繊維・感性工学分野 修士課程2年の麦谷捺樹さん(丸研究室)・修士課程1年の加藤友輝さん(金井研究室)が、若手優秀発表賞を受賞しました。
麦谷捺樹さん
研究題目:重ね着を想定した生地の保温性評価においてレイヤの構成および間隙の大きさが衣服気候に及ぼす影響
研究概要:衣服着用時に形成される「衣服気候」は従来、肌と肌着の間(内層)に注目して研究されてきましたが、肌着と外衣の間(外層)の環境は十分に検討されていませんでした。本研究では、重ね着状態を再現可能な保温性試験装置を作製し、外衣の通気性および外層の間隙が衣服気候と保温性に及ぼす影響を評価しました。その結果、外層の間隙が重ね着全体の保温性に大きく寄与することが明らかになり、特に間隙が小さい場合には外衣の通気性によっても保温性に有意な差が生じることが分かり、重ね着の衣服設計に役立つ知見が得られました。
麦谷さんのコメント:この受賞は、学会直前まで熱心にご指導くださった先生方をはじめ、共同研究先の方々、研究室のメンバー、そして影から支えてくださったすべての方のおかげです。心より感謝申し上げます。今回の受賞に浮かれることなく、引き続き一生懸命に研究に取り組みたいと思います。将来的には、誰もが季節や状況に応じて最適な衣服選びができる社会の実現に少しでも貢献できれば幸いです。
※本研究に関するお問い合わせは 先進繊維・感性工学科 丸 弘樹助教(maruh@shinshu-u.ac.jp)までお願いいたします。
加藤友輝さん
研究題目:自動車シートを介した呼吸リズム誘導刺激の提示が生理心理に及ぼす効果
研究概要:ストレス社会において深呼吸はストレスコーピングとして注目されています。本研究では自動車乗車時の車室内空間を想定し、自動車シートを介した呼吸リズム誘導刺激の提示が生理心理に及ぼす効果を明らかにすることを目指しました。ヘッドレスト部にスピーカー、自動車シート座面部に振動素子を組み込んだ自動車シートを試作し、実験では、被験者に深呼吸のリズムに変調させた音・振動を提示し、生理計測として心電図の測定、心理計測として気分調査を行いました。その結果、深呼吸により副交感神経の亢進させること、気分を改善する効果が期待できることを明らかにしました。
加藤さんのコメント:この度、繊維製品消費科学会年次大会にて、若手優秀発表賞を頂き、大変光栄に思います。この受賞は日々ご指導頂いている先生方、研究室の皆様、家族など、多くの方々のおかげです。この場を借りて、心より感謝申し上げます。また、学会当日は様々な分野の研究者の方々から貴重なご意見を頂いたり、他の研究者の発表を拝聴したりと、多くの学びを得ました。本研究の成果をさらに磨き、快適な車室内空間の創出に向けて、今後の研究活動に精進して参りたいと考えています。
※本研究に関するお問い合わせは 先進繊維・感性工学科 金井 博幸教授(kanai@shinshu-u.ac.jp)までお願いいたします。