筋細胞の分化促進に「脂肪滴」が重要な役割 ―温熱刺激で明らかになった筋細胞の新たな代謝適応―
動物生理学研究室のRumana Mahzabinさん(博士課程3年)らは、マウス骨格筋由来の筋芽細胞を用いて、39℃の軽度な温熱刺激が筋細胞の分化を促進する新たな仕組みを明らかにしました。
温熱刺激によって、筋細胞へのグルコースの取り込みが増加するとともに、分化初期には「脂肪滴」が一時的に増加していました。さらに、脂肪滴の形成を抑えると筋分化も低下することから、脂肪滴が筋細胞の分化を支える重要な役割を担うことが示されました。
骨格筋の形成や維持には、筋芽細胞が成熟した筋細胞へと変化する「筋分化」が重要です。温熱刺激が筋分化を促進することは知られていましたが、その際に筋細胞内で起こる代謝変化については十分に明らかになっていませんでした。
今後は、こうした代謝変化が生体の骨格筋でも生じるのかを検証し、将来的にはウシやニワトリなどの畜産動物の筋形成や成長制御に応用し、飼養環境や栄養管理と組み合わせた新たな食肉生産技術の開発につなげることを目指します。
本研究成果は、2026年8月5日付で学術雑誌 In Vitro Cellular & Developmental Biology - Animal に掲載されました。
掲載先:https://link.springer.com/article/10.1007/s11626-026-01232-5
【論文タイトル】
Thermal stimulation promotes myogenic differentiation through enhanced glucose uptake and transient lipid droplet accumulation in C2C12 cells
【著者名】
Rumana Mahzabin, Satoko Hayashi, Md. Rezwanul Habib, Yukako Tokutake, Shinichi Yonekura
【DOI】
10.1007/s11626-026-01232-5

