令和8年度「木材工学演習」を実施しました
1.演習名
「木材工学演習」
2.実習目的
各種の木材加工の道具・機械を用いて演習林のヒノキ間伐材を加工し、一定の構造物を作製する。そして、基礎的な木材加工技術を修得するとともに、樹木が生命活動によって生産する生物材料である木材の構造と性質について理解することを目指す。
3.実施日
令和8年8月25日(火)~8月28日(金)
4.実施場所
農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
構内ステーション
5.担当教員
細尾佳宏准教授、末定拓時助教、小林 元准教授、室谷楓香助手
6.参加人数
3名
7.概要
【1日目】
初めに開講式を行った後、安全講習を行った。続いて、木材の構造と性質についての講義を行った。講義後、木材加工実習室内に設置されている木工機械の説明を行い、実際に製材機を使用して製材デモンストレーションを行った。その中で、材の完満度、歩留りなど、演習で使用する丸太について説明を行った。そして、あらかじめ製材されたヒノキ心持ち正角材の自動かんな盤加工を行い、加工を行った正角材を使用してベンチを作製することとした。この時、樹皮が残っていた材については、皮むき作業を行ってから加工を行った。次に、過去の受講生が作製したベンチを見学し、必要に応じてベンチの採寸を行うことにより、受講生自身が作製するベンチについて検討を行った。その後、作製するベンチの図面・木取図を作成し、1日目の演習を終了した。
【2日目】
最初に工具・手道具の説明を行った後、墨付けの説明を行った。説明後、1日目に作成したベンチの木取図を用いて座面、脚部、背もたれなどの各部材の墨付け作業を行った。次に、スライド丸鋸の説明を行い、実際にそれを使用して正角材を各部材に切り分けた。その後、鋸、インパクトドライバー、木工用ドリル、鑿を用いて脚部の仕口の加工を行い、仮組と調整まで行った。そして、背もたれの詳細な図面を作成し、2日目の演習を終了した。
【3日目】
最初に、電動工具の説明を行った。そして、ランダムサンダー、ミニサンダーで各部材の材面の仕上げを行うとともに、必要に応じてディスクグラインダーで加工を行った。次に、インパクトドライバー、木工用ドリル、下穴錐、コーススレッド等を用いて脚部の組み立てを行い、続いて脚部に座面を取り付けた。取り付け後に接地した際のがたつきを確認したところ、修正は必要ないと判断された。その後、2日目に作成した図面をもとに、背もたれ部材の加工を途中まで行い、3日目の演習を終了した。
【4日目】
3日目に引き続き、背もたれ部材の加工を行った。加工後、脚部の組み立て・座面の取り付け時と同様に、インパクトドライバー、コーススレッド等を用いて背もたれを取り付けた。続いて、必要な箇所にダボ埋めを行った後、ランダムサンダー、ミニサンダーを用いて最終的な仕上げ作業を行った。仕上げ作業後、塗装工程の説明を行い、コンプレッサーでベンチの埃を吹き飛ばしてから塗装作業を行った。塗料には屋外用木部保護塗料を用い、塗装は刷毛塗りで行った。この塗装作業をもって、ベンチの作製は完了した。そして、最後に授業アンケートおよび閉講式を実施し、演習の全日程を終了した。
8. 感想・今後の展望と課題
受講生3名とも最後まで熱心に演習に取り組み、大きな問題もなく演習を終えることができた。授業アンケートでは、「各講義・実習の評価」の6項目全てで3名とも「大変満足」または「満足」と回答した。「注意点、扱い方、目的など、端的かつ明確な説明でわかりやすかった」、「改めて木の温もりや材としての良さを感じることのできる実習だった」、「つくりたいと思ったものができあがっていくのは感動があった」などの好意的な意見が多く挙げられ、受講生にとって有意義な演習であったことが窺われた。「演習の内容、指導等についての要望、改善点」については特に指摘はなかったが、継続して演習内容の検証・必要に応じた見直しを行い、演習の質的改善・向上に努めることが必要と思われる。
今年度は、3年ぶりに構造物としてベンチを作製した。受講生が丁寧に作業を進めていたこともあり、作業は予定よりも多少遅れたが、4日目に背もたれの取り付けを行い、最終的に塗装まで行うことができた。背もたれに関しては、詳細な図面を改めて作成し、それをもとに作業を行ったことで、部材を作り直すことなく完成できた。図面を作成する時間を十分確保することで、作業が正確かつスムーズに進むと考えられる。また、今年度も仕口の加工に木工用ドリルを用いたことにより、受講生の鑿による加工時間が短縮され、怪我も防止することができた。そして、受講生全員が怪我なく全ての工程を終えることができたのが、何よりであった。来年度以降も、事前学習動画の活用や演習時間内での安全講習の実施等により、安全第一で演習を実施していきたいと考えている。
