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令和6年度「自然の成り立ちと山の生業演習」を実施しました

AFCイベント情報演習林系の実習

2日目_二次林の植生調査1
2日目_二次林の植生調査1
2日目_二次林の植生調査2
2日目_二次林の植生調査2
2日目_二次林の植生調査3
2日目_二次林の植生調査3
3日目_チェンソーによる玉切り
3日目_チェンソーによる玉切り
3日目_広葉樹の除伐
3日目_広葉樹の除伐
4日目_炭焼き窯の観察
4日目_炭焼き窯の観察
4日目_天然林の観察1
4日目_天然林の観察1
4日目_天然林の観察2
4日目_天然林の観察2
4日目_天然林の観察3
4日目_天然林の観察3

1.演習名
自然の成り立ちと山の生業演習

2.実習目的
野辺山ステーション、および筑波大学山岳科学センター八ヶ岳・川上演習林、小川山・瑞牆山を舞台として、天然林の成り立ちから人工林の造成、里山林の利用について学ぶ。野辺山ステーションでは間伐と枝打ち、チェンソーを使った丸太切りと薪割りを体験する。八ヶ岳・川上演習林では森林調査を行い、冷温帯広葉樹二次林の成り立ちについて学ぶ。小川山・瑞牆山では天然林の観察と里山の利用について学ぶ。
なお、本実習は北海道大学北方生物圏フィールド科学センターが開講する「森林フィールド講座」と同時開催する。

3.実習が掲げるSDGsの目標
目標3[保健]、目標7[エネルギー]、目標8[経済成長と雇用]、目標13[気候変動]、目標15[陸上資源]

4.実施日
令和6年8月20日(火)~8月23日(金)

5.実施場所
農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター(AFC)
野辺山ステーション

6.担当教員
小林 元准教授、荒瀬輝夫准教授、宮本裕美子助手

7.参加人数
10名

8.概要
令和6年8月20日~23日にかけて、野辺山ステーションにて公開森林実習「自然の成り立ちと山の生業演習」を開講した。本演習は北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの開講する「森林フィールド講座・信州編」と共同開講した。公開森林実習には7名の受講生を得た。森林フィールド講座には7名の受講生を得た。また、山岳科学学位プログラムの開講する山岳フィールド実習Aからも3名の受講生を得た。全国から集まった総勢17名の学生、院生は、学部1年生から修士課程2年生までの広範な学年にまたがった。また、これを指導するスタッフも全国演習林から集まった総勢16名の大規模な演習となった。

教職員は公開森林実習には小林、荒瀬、宮本教員の他、木下、野溝技術職員、奥田技能補佐員が参加した。加えて、3名のティーチングアシスタントが参加した。森林フィールド講座には山形大学と筑波大学から、それぞれ菊池教員と清野教員が参加した。また、北海道大学、高知大学、琉球大学から、それぞれ高橋、長井、金城技術職員が参加した。また、筑波大学からは井波、杉山の両技術職員が参加した。

本演習は受講生の学年に隔たりのあることから、演習グループを学部低年次生から大学院生まで偏りなく構成されるよう班編成した。この結果、野外演習やデータの取りまとめ、プレゼンテーションにおいて習熟度の高い院生、高年次の学部生が低年次生を指導する好循環が生まれ、効果的な演習を実施できた。また、信州大学以外の教員、技術職員が指導に加わったことによって、単一の大学では実施できない広範な学識、多才な技術体系に基づく重層的な演習を実施できた。

演習初日はガイダンスを行った後、信州大、筑波大、北海道大学の演習林紹介と中部山岳の里山に関する講義を行った。受講生からは「日本の森林の歴史についての理解が深まった、森林の歴史など知識を整理することができた」、「信大や北大、筑波大の演習林の特徴を知ることができた、所属大学では聞けない話を聞くことができた」等の感想が得られた。

2日目は筑波大学川上演習林のミズナラ二次林にて毎木調査を行った。受講生からは「初めて毎木調査を行い、様々な樹種に触れることができた、きちんとした毎木調査をやったことがなかったので勉強になった、胸高断面積や本数の調査方法について学ぶことができ、自大学での学習にも大きく役立つと感じた、毎木調査の手法、データのまとめや考察などを通じ、見る目を養えた」等の感想が得られた。

3日目は野辺山ステーションにて人工林の除伐、丸太切り、薪割りを行った。受講生からは「鉈や鋸の使い方を習得できた、演習で学んだチェンソーの使い方、メンテナンス方法を今後も生かしたい」、「森林管理の大変さが良く分かった、疲れたが切り倒した時の達成感がひとしおだった、薪割りが最初難しかったが、上手く割れると爽快感を感じられた」等の感想が得られた。

演習最終日は瑞牆山植樹祭広場奥の針広混交林にて、天然林の観察を行った。受講生からは「天然林の景観には圧倒された、里山二次林と天然林の差異を知るとともに天然林の保護について興味を持った、森の奥に足をふみいれ、普段は触れ合えないような自然を感じることができて楽しかった」等の感想が得られた。

9.感想
演習の参加後、興味関心が増したSDGsの目標として、目標7[エネルギー]、目標13[気候変動]、目標15[陸上資源]が挙げられた。受講生からは「森の木々を使って木炭を作った昔とは違い、現在はほとんど化石燃料で我々は生きています。昔、人間の好きなように使った森だからこそ、後世への歴史の伝達も含めて、総持管理していく必要があると感じた」、「森林の保全には人の力が必要であり、さまざまな知識、技能を身につけた人を増やすことが求められていると感じた」、「森林生態系の仕組みを知ることで持続可能な林業の実現につながるのではないかと感じた」等の感想が得られた。

演習中は連日好天に恵まれ、昼は野外演習、夜はデータ解析、プレゼン準備と忙しい毎日であったが、受講生をはじめ、教職員一丸となって課題に取り組めた充実した4日間であったと思う。

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