山岳科学研究所の森林資源研究部門では”森林レーザ計測研究”について、国際的に活躍する若手研究者を招へいし、国際共同研究と大学院生への公開ゼミナールなどの研究指導を実施しています。
 今回招へいした特任教員 Matti Vaaja氏は、先端技術のレーザ計測(航空、ドローン、移動車両、地上携帯)分野で世界No.1の研究実績を持つHyyppa特別招へい教授の研究チーム(フィンランド最先端レーザー研究所)に属する、アールト(Aalto)大学※ 建築環境学部地理情報学の助教です。また航空機、ドローン、地上携帯による森林レーザ解析で、研究業績の高い若手のエキスパート・プログラマーでもあります。
 平成29年9月末に来日し、「レーザ計測技術と応用」として、12月14日までの毎週木曜日午後1時~3時まで2時間の講義を行っています。アールト大学と同様の講義形式で英語で行われる今回の講義は、課題も出され、学生にとっては学習意欲を刺激するタフな授業です。本学学部生及び大学院生の聴講を歓迎いたしますので、ご希望の方は受け入れ担当教員の加藤正人教授までご連絡ください。

◆ 講義 全10回 ◆
  1. レーザ計測技術の紹介
   (Introduction to laser scanning technology) 
  2. 航空レーザ計測
   (Airborne laser scanning technology)
  3. 地上レーザ計測と室内の三次元計測
   (Terrestrial laser scanning and indoor 3D mapping)
  4. 移動式レーザ計測とセンサー統合
   (Mobile laser scanning and sensor integration)
  5. 地上レーザと移動式レーザによる単木抽出技術 (課題Ⅰ)
   (Individual tree detection based on MLS and TLS data (assignment I))
  6. 移動式レーザ計測とデータ解析
   (Mobile laser scanning and data processing)
  7. 地上レーザと移動式レーザによる幹曲がり計測 (課題Ⅱ)
   (Stem curve measurements based on MLS and TLS data (assignment II))
  8. 数値地形モデルによる移動式レーザの変化抽出(課題Ⅲ)
   (Change detection of MLS based digital terrain models (assignment III))
  9. 異なるデータソースの登録(課題Ⅳ)
   (Registration of different data sources (assignment IV))
  10. 課題報告のプレゼンテーション
   (Presentation of the reports)


※ アールト大学はヘルシンキ工科大学とヘルシンキ建築・芸術大学が統合された総合大学で、学生数15,000人、外部資金確保は国内1位、創立50年以内の世界ランキング7位の実力校です。フィンランドが生んだ20世紀 を代表する世界的な建築家、都市計画家、デザイナーのアルヴァ・アールト(Alvar Aalto)の姓を大学名に採用し、アールトによってデザインされた校舎群はフィンランドの自然(森と湖、冬の厳しい時期に太陽光を受ける窓、オーロラと彩色された光源)と繋がり、見学の価値があります。
アールト大学HP:http://www.aalto.fi/en/



研究内容を講義するMatti Vaaja特任教員

共同研究のゼミナール

通訳及び説明を行なう加藤正人教授

英語で質問をする学生