吉田孝紀教授研究チームの諏訪湖の論文について長野県からプレスリリースがありました。
信州大学山岳科学研究拠点は、長野県環境保全研究所との共同研究により、諏訪湖の湖岸においてボーリング調査を実施し、採取したコア(地層から抜き取られた円筒状の堆積物試料)から、過去2万5千年間の堆積環境と諏訪湖の水域の変遷を解明しました。

研究結果は以下のようにまとめられます.
・諏訪湖の湖岸において30mの連続コアを採取し、過去2万5千年間(最終氷期以降)の堆積環境と諏訪湖の水域の変遷を追跡しました。
・諏訪湖の面積は、最終氷期最盛期(更新世後期)において現在よりも小さく、1万6千年前(最終氷期末)~6千年前(間氷期、完新世中期)に現在よりも拡大したことが明らかになりました。
・以上の環境変遷は、流域の土壌・植生遷移によって、諏訪盆地への土砂供給量が変化したことに主に起因すると考えられ、これは氷期-間氷期サイクルと同調して生じた可能性が示唆されます。

掲載誌:Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology
タイトル:High-frequency depositional sequence of the upper Quaternary deposits controlled by sediment supply: A case study of an inland basin in central Japan
著者:葉田野希(長野県環境保全研究所),川野律歩(信州大学大学院総合理工学研究科),吉田孝紀(信州大学山岳科学研究拠点)


長野県ホームページ
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/happyou/20230222.html