研究科概要

新しい時代に対応した博士人材の養成を目指し、大学院博士課程の「医学系研究科」と「総合工学系研究科」を統合再編し、「総合医理工学研究科」を設置しました。
総合医理工学研究科には、これまで両研究科がそれぞれ3専攻と5専攻に細分化されていたものを、学問体系の本質に対応する「医学系専攻」「総合理工学専攻」の2専攻に加えて、理学・工学・農学・繊維学と医学との連携による「生命医工学専攻」を設置し、3専攻に再編しました。
特に、医学系と生命医工学専攻では、一つの専攻で4年制(博士[医学])と3年制(博士[保健学]もしくは博士[医工学])の学位を授与する日本で初めてのカリキュラムを実施します。

総合医理工学研究科の特色

複合化して単純に解決できない課題に取り組むためには、中核となる技術課題を解決する深い専門知識と技能に加えて、広い視野で問題を捉え解決の方策を探索する総合的な洞察力・俯瞰力が不可欠です。
総合的な課題解決能力や俯瞰力を醸成するためには、専門分野近傍の領域の知識や医学系、理工農学系及び人社系分野全体の基本的な知識も不可欠です。
このため、大括りした各専攻に所属する学生は「専攻共通科目」(全専攻4単位選択必修)を、さらに研究科の「研究科共通科目」(全専攻2単位必修)を受講します。
全ての在籍院生に対してCITI-Japanの認証獲得を修了要件とは別に義務化し、研究者・技術者倫理教育においては社会的責任感を身に付けることを目指します。

教育課程

教育研究体制の特色

理念・目標

総合医理工学研究科は、本学の教育・研究の理念である、「信州の豊かな自然、その歴史と文化、人々の営みを大切にします。」「その知的資産と活動を通じて、自然環境の保全、人々の福祉向上、産業の育成と活性化に奉仕します。」「世界の多様な文化・思想の交わるところであり、それらを理解し受け入れ共に生きる若者を育てます。」「自立した個性を大切にします。」並びに「信州大学で学び、研究する我々は、その成果を人々の幸福に役立て、人々を傷つけるためには使いません。」に基づき、信州の豊かな自然環境のもと、地域に根ざし世界に開かれた大学院として、それぞれの専門分野において社会に資する有為な博士人材を育成するための教育・研究を推進します。
本研究科は、医学、理工学から生命医工学にわたる幅広い学問分野を網羅する利点を生かして、専門研究分野における深い知識・卓越した技能に加えて、専門分野以外の課題を見渡すとともに自身の研究課題の社会的意義を再認識する俯瞰力、課題の本質を見抜き解決方法を見出す洞察力、専門分野近傍の課題に対して新たな知見・技術を見出す応用力と健全な倫理観を兼ね備えた博士人材を養成することを教育・研究の目標とします。

育成する人材像

  • 人類の福祉や持続可能な社会の実現のために、医学・保健・福祉や科学・技術の発展に貢献できる高度専門職業人・研究者
  • 世界を先導する研究に取り組む人材
  • 専門分野の枠を越えた学際分野の課題に対しても積極的に挑戦する人材

養成する能力

医学、保健学、理学、工学、農学、生命医工学の各専門分野の深い知識・技能と、社会の変化への柔軟な対応力を兼ね備え、社会に寄与する有為な高度専門職業人・研究者を養成するため以下の能力を共通的必須能力として修得させます。

  • 専門分野以外の課題を見渡すとともに自身の研究課題の社会的意義を再認識する俯瞰力
  • 高度専門職業人・研究者として科学・技術を発展させるための健全な倫理観

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

総合医理工学研究科は、本学の理念と研究科の教育目標に則り、医学系、理工学系及び生命医工学分野の高度専門職業人、研究者に必要とされる専門分野における深い知識・卓越した技能、科学・技術を発展させるための健全な倫理観、専門分野以外の課題を見渡し自身の研究課題の社会的意義を再認識する俯瞰力、課題の本質を見抜き解決方法を見出す洞察力、専門分野近傍の課題に対して新たな知見・技術を見出す応用力を身につけることを目標として、学位論文の作成を中心に、以下のような教育課程編成の方針により、講義、演習、実験並びに実習等からなる専門性の高いカリキュラムを実施します。

  • 本研究科の教育上の目的を達成するために必要な授業科目を開設するとともに、研究指導の計画を策定し、体系的に教育課程を編成する。
  • 教育課程の編成に当たり専攻分野に関する深い専門的知識と卓越した技能を修得させるための体系的な教育課程を編成する。
  • 専門分野以外の課題を見渡し自身の研究課題の社会的意義を再認識する俯瞰力を修得させるための研究科共通科目、専門性を高めながら、課題の本質を見抜き解決方法を見出す洞察力、科学・技術を発展させるための健全な倫理観、専門分野近傍の課題に対して新たな知見・技術を見出す応用力を修得させるための専攻共通科目等を開講する。
  • 成績評価の公正さと透明性を確保するため,成績の評定は,学位授与の方針に基づき各科目に掲げられた授業の狙い・目標に向けた到達度をめやすとして採点する。

    【評価方法】
    ・講義科目においては,理解度を見る筆記試験やレポート,参加度により,授業達成目標への到達度を判定する。

    ・演習,実験,実習,実技科目においては,試験やレポートに加え,参加度や発表内容,実技等を通して,授業達成目標への到達度を判定する。

    ・授業達成目標への到達度は,可能な限り複数の評価手段によって判定する。

  • 博士学位論文審査体制を充実させ,厳格で透明な論文審査を行い修了判定を実施する。

信州大学大学院 カリキュラム・ポリシー

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

総合医理工学研究科は、本学の理念と研究科の教育目標に則り、以下の知識と能力・技能等を十分培い、かつ、専攻ごとに定められた学位授与方針に適う知識と能力・技能等を有する学生に「博士」の学位を授与します。

  • 専門分野以外の課題を見渡し自身の研究課題の社会的意義を再認識する俯瞰力
  • 高度専門職業人・研究者として、科学・技術を発展させるための健全な倫理観

信州大学大学院 ディプロマ・ポリシー

アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)

【求める学生像】
総合医理工学研究科では、本学の理念及び研究科の教育目標に則り、以下の能力と意欲を備えた人を積極的に受け入れます。

  • 最先端の科学・医療・健康・福祉・技術の研究に積極的に取り組む人
  • 世界をリードする科学・医療・健康・福祉・技術を担う研究者あるいは高度専門職業人を目指す人
  • 学士課程、大学院修士課程、企業、医療機関等において能動的に学び、深い専門知識と技能及び研究推進能力を身に付けている人
 

【入学者選抜の基本方針】
各専攻の教育・研究分野の特徴に基づき、専門知識と技能及び研究推進能力、研究への意欲を適正に評価して入学者選抜試験を実施します。

信州大学大学院 アドミッション・ポリシー