本物の筋肉で動くロボットを創る

昨今、私達の周囲では様々な用途のロボットが数多く活躍していますが、その多くはモーターによって駆動されています。機械・ロボット学科の秋山 佳丈 准教授は、ロボットなどを動かすために生体の筋肉を利用する技術を開発しています。筋肉は、糖 (グルコース) を燃料として直接運動を生み出すことが出来るため、高効率かつ化石燃料に依存しない機械システムの構築が可能になります。これまでに昆虫の筋肉使って、世界初の室温で自律的に移動するマイクロロボットや大気中で駆動可能なマイクロピンセットを実証しました。(写真左:マイクロロボットの電子顕微鏡像、写真右:指の上で駆動するマイクロピンセット)
秋山研究室では、他にも "インクジェットプリンターによる細胞の印刷技術" や "磁石で細胞を操る技術" など、機械工学的見地からバイオにアプローチする技術の開発を行っています。これらの技術により、細胞から複雑な三次元組織の構築が可能になれば、筋肉で動くロボットのようなバイオハイブリッドシステムへの応用だけなく、再生医療や医薬品開発などにも役立つと期待されます。
(掲載期間 平成29年 7・8月)